車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、13年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

どこまでも車椅子に優しい街:バレンシア(1)

 信ちゃん(夫です)が2005年に脳出血で倒れ左半身不随で車椅子生活者になった後も好きな旅行を続けてきた私たち。せっせせっせとアルバイトに精を出し、節約して、どんどこどんどこ国内国外、いろいろな所を楽しんで来ました。
 車椅子旅行の経験を積む事で、最初の頃の苦労は創意工夫の知恵も付き軽減していますが、それでも、事前に実行しようと思っていて出来なかった事は相変わらず多く、正直誰に八つ当たりをして良いか分からず、私です。最近では4月の四国旅行で信ちゃんが道後温泉に入れなかった事。全バリアフリーの公共の宿とし有名な友輪荘: 

だったので、るんるんと進んでいて最後にアッパーカットを食らった気がしました。


 結局、あまり大きな期待を持たずに、自然体で旅をするのが一番なのでしょうか・・・などと、私には似合わない達観した(というか達観したい)思いで出かけたバレンシアでしたが、これが大当たり!! ・・・おめでとうございます!! ありがとうございます!! の気分でした。


 何故にそんなに良かったの!?!
 車椅子だからとやりたい事を諦めなければならない事がほぼ何もなかった事です。


 サンクトペテルスブルグでは、名画の宝庫・世界遺産のエルミタージュ美術館:http://www.hermitagemuseum.org/wps/portal/hermitage/?lng=ja でさえも、車椅子では観覧出来ない階があり、モスクワ市内も含め、各地の有名所の教会のほとんどは外観だけで我慢しました。たまねぎ教会に入って、たまねぎの下がどうなっているのか見て見たかったな。基本、信ちゃんが入れない所は私も入らないので、たまねぎの下はいまだにです。


 嬉しかった事がある中で、で一番嬉しかったのは、機関のです。今回、市内の移動にバスと市電に乗りました。技術力のある日本です。このようなシステムにするのはそんなに難しいことではないと思うのですが・・・


 まずバス。車椅子もベビーカーも車体中央にあるドアから乗降するのですが、停留所に近づく運転手さんに合図をすると、バスの停車と同時にドアが開きます。自動でスロープが降りてきます。バスとスロープの間に僅かな隙間が出来ますが、その隙間に合わせた別幅の狭い板状のものが出てきて、車内まで、完全に段差のなスロープが出来上がりました。
 オランダのバスも同じようだと友人に教えられたのですが、Utubeのビデオ画像が見つからなかったので、マンチェスターの市電を紹介。バレンシアもかなりこれに近いです。

Wheelchair access onto Metroshuttle and Metrolink trams in Manchester


 バンクーバーのこのビデオのように上からスロープが降りて来るのってちょっと怖いと思うのですが・・・。

BUS in Vancouver バンクーバーバス Electric ramp 電動スロープ


 アメリカはこのタイプが多い。ロサンゼルスもサンディエゴも運転手さんの入り口から乗り降りしました。

Riding with your wheelchair


 東京都内のバス(他の地域は知りませんが)は運転手さんが車輛から降り、畳んであったスロープを取り出し、バスと道路の間に設置します。それから固定するためにストッパーをバスの床とスロープ板の間に2か所差し込みます。大変な手間です。雨の時には他の乗客の視線に、いたたまれなくなる事があります。

車椅子ウォーカー×GO TOKYO 都営バス


 「バスが遅れるわ。謝りなさい」とおばさんに怒鳴られた経験もあります。


 の市電もバスと同じようなシステムですが、通常2両連結で、2車輛共に中央に車椅子とベビーカーのマークのついたドアがあり、そこには上下にボタンが付いています。上は普通の乗客。下は車椅子用。上だけを押せばスロープが出て来る事はなく、下を押すとスロープが出てきます。


 岡山のこのビデオを見ると一見バリアフリーですが、わずかながら段差があり、少年が押しています。このような僅かな段差でも一人だと怖いのでは。それにこのような車両の路面電車が走る時間は限られています。バレンシアではすべての車両に必ず乗車出来ます。

Okayama Electric Tramway 岡山市バリアフリー路面電車『MOMO』


 バスでも市電でもスロープの先は十分な広さの車椅子スペースがあるので、信ちゃんは難なく自分のポジションを確保しました。その間、きっと運転手さんはミラーで見ているのでしょうが、声を掛ける事はありません。都バスのように、わざわざ座っている人をどかせて座席を畳む必要はありません。
 一度、もたもたしていて市電のドアが信ちゃんがまだスロープを上っている時に閉まりそうになりました。私は後ろに付いていました。すると車内に居た近くの学生さんがさっと近づき、ドアを抑えてくれました。この時も、運転手さんが声を掛ける事はありませんでした。


 これまでの旅。「楽しい」と言いつつも本心を明かすと、やはり車椅子である事で必ず一度は二度の苦労や腹立ちがありました。ところがでは・・・


 運転手さんに手間をかけさせず、私たちも運転手さんに気を使わず、乗客にも気を使わず、車椅子でバスにも市電にもさくさく乗降できる。
 これって本当気分のいいものです。


 これは、カナダのトロントのユニオン駅で車椅子が列車に乗り込むビデオです。イギリス系の列車車両はこのように私でも必死でよじ登るケースが多いのですが、イギリスでは、大きなスロープを使っていました。ここでは新兵器! イントロ部分が長いですが、是非最後まで見てみて下さい。

Wheelchair User Getting On & Off Train



 突然、豚の生姜焼きが食べたくなりました。今夜は生姜焼きに決まりです。この時も生姜焼きを食べました。おいしかった。友人に連れられ、初めての飛行機の楽しい車椅子旅行。あれからもう、11年になるのですね。

(2007年4月 鹿児島)