車椅子で韓国3都市(水原・大邱・釜山)を旅して。
5月30日から6月10日までの初の、車椅子での韓国旅行。初めての韓国旅行は30年以上前です。
どうして今、韓国旅行に行く事にしたかのいきさつは、前回の投稿で書きました。
事前にいつものように、出来るだけ多くの情報を集めようとネットを駆け回り、今回は韓国観光公社:https://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/index.ktoの「ライブチャット」(24時間各国語対応)に何度も問い合わせをしました。
そして、的を得ていない質問、的確ではない検索方法の答えは結局、たいして役に立たない、と思い知らされました。
「百聞は一見に如かず」。
さて、車椅子利用者の信ちゃん(夫です)との海外旅行の最大の難題は、「移動手段・方法」です。
それには投稿済みの、去年のミュンヘンでの地下鉄と市電の逸話を読んで頂ければお分かりの事と思います。
まずはミュンヘンの地下鉄での「絶句」。
次は、ミュンヘンの市電(トラム)での「大冒険」
今となっては「笑い飛ばせる楽しい体験」と言えますが、あの時にはそれぞれ冷や汗もので、自分に「冷静に、冷静に」と言い聞かせ、信ちゃんに不安を与えないようにと必死でした。
「ライブチャット」で分かった事。水原最大の観光地で世界遺産でもある水原華城
の中にある、「チャングムの人形」が待つ
に行く公的交通手段は、バスしかない、事でした。さらに、車椅子が乗れる低床バスの割合はソウルだと50%を超えるが、水原では20%ほどで、いつ来るかは決まっていないので「運しだい」だと言われました。そう考えると、東京都内のバスの全車両が低床。ありがたい事です。地方でも、どのバスが「低床」かを事前にチェック出来ます。
この低床バスですが、日本ではまだ、運転手の方が席を離れて準備をして下さる手間があります。10年以上前に旅をしたサンディエゴでもロサンゼルスでもすでに、運転席に座ったまま、席を離れることなく手元でスロープの出し入れ操作をしていました。
これは、ロサンゼルス空港から市内へのシャトルバスの写真ですが、市内を走るバスはみな、このシステムでした。
日本も早く、このようになるといいですね。
韓国では、公共バスに乗るのを諦めました。観光バスは別です。水原と大邱の観光バスはNGでしたが、釜山にある2つのシティーツアーバスで、レッドラインは車椅子OK。釜山市内観光を楽しませて貰いました。
色々考えた末、水原華城内の車椅子での散歩は中止。車椅子が乗せられる「ジャンボタクシー」を2時間貸切る事にしました。6人乗りなので割高ですが、止むを得ません。
料金は12万ウォン(約13,000円)。このジャンボタクシー、今回は金浦空港から40キロ弱の水原までも利用しました。値段は同額でした。
「水原華城のどの門は必ず見たい。行宮前で11時から行われるショウが見たい。
行宮見学には20分は欲しい。最後に、水原は「王カルビ」と言われる牛カルビが有名だが、最近では「チキン通り」も有名だとNHK・BS番組でやっていたので、「チキン通りのバンバン」(半々)
を購入したい」
これらのリクエストをpapago翻訳
を使い、当日早起きをして運転手さんにハングルで手紙を書きました。
今回の韓国旅行。友人家族に会い、美味しい物を食べ、観光もし、優しい街の人たちとの楽しい多くの出会いを経験しましたが、一番感心した事。それは、「地下鉄」でした。
韓国の地下鉄の実力・威力:
さっきも書きました。「百聞は一見に如かず」。それは、車椅子旅行を始める前、元気に国内外旅行を始めた35年前から分かっていた事なのですが、「韓国の地下鉄」に乗り、根底からそれを実感し、体験させて貰いました。
公共交通主担については事前に、さまざまな、ほぼあらゆるサイトに挑戦。「車椅子・地下鉄」の検索、特に画像検索を試みました。残念ながら、集めた記事・ブログ・旅行記はいずれも十分ではなく、画像も満足行く物ではありませんでした。地下鉄に関する情報は、ほぼゼロに近いが、出発前の現実でした。
そして結論から先に言ってしまえば、都会だけかも知れませんが、今回訪れた水原・大邱・釜山の地下鉄はそれぞれ、日本より優れていました。
大きな理由は3つ:
1)改札が2か所あり、一か所は車椅子用改札がない。入ると、エスカレーターのみ。その代わり、もう一つの改札には車椅子用改札があって、入ると目の前がエレベーター。
2)下の写真では分かりませんが、エレベーターを降りると近くに、車椅子マークが2か所みつかります。一つはホームの床。ひとつは、ガラスのドアの右端。日本でもこの方式が嬉しい事に、増えたようですね。韓国の地下鉄では即、どこで待てば良いか分かるので便利です。ただし、初乗り駅では、ちょっと、右往左往しました。場所が分からずに。
3)私が一番感心した配慮:日本では、車椅子も通る広い改札の交通カードをタッチする場所は他の改札と同じで、フラットです。カードがうまくタッチ出来たかを、車椅子に座ったままだと確認しにくいです。韓国の地下鉄の車椅子用改札口の形は一般とは異なり、手前が斜めになっていて、カードを車椅子に座ったままでもタッチしやすく、確認も確かです。
今回は地下鉄内で撮った写真はこの一枚。3)の説明がきっと、今一つ分かりにくく、説得力に欠けます。次回の韓国旅行では、手前ななめになっているタッチの部分の写真を、しっかり撮って来ます。車椅子で韓国旅行をされる方の役に必ず役に立つはずです。
と、ここまで書いて、もう一度ググって、「世界の公共交通」に関するブログを書いている方のサイトを発見。写真もありました。よかった:自動改札機の色々・韓国編~海を渡っただけで、日本では見られないモノが… - MAKIKYUのページ
写真もありました。
ただ残念ながら、私たちが使用したタイプではありません。
こちらの写真の方が分かり易いのでは?
黄色い部分が斜めになっています。これだと本当に便利だと信ちゃんは「サカサカ」一人で改札を通りました。日本では私がフラットのチェックポイントに、交通カードをタッチしています。
韓国の高速列車:
列車は日本や台湾とは異なり、フランス式の入り口の3段ステップをよじ登るタイプ。なので、このように大がかりな「カゴ」の中に毎回、信ちゃんは乗ります。また、準備に時間を要するとの事で、韓国人の友人に電話で問い合わせて貰ったところ、最低でも出発時間の30分前に駅に来るようにと言われました。
初めて乗る「水原ー大邱」の列車には、大事を取って1時間ほど前に行きました。
見てもお分かりのように、車椅子が乗る「箱」の位置はかなり高くで持ち上げられるので、初めてスロープを登った時は「怖かった」そうです。「降りる時も。でも、すぐ慣れた」
列車の車椅子車両は決まっているようで、「箱」はどの駅でも最初からホームに置いてありました。確か2か所に。
(2023年6月3日 水原駅の朝)信ちゃん、初めて「箱」に乗る
(2023年6月3日 水原駅)
最後に。北上の東横インで初めて知った、この形のトイレットペーパー・ホールダー。
帰宅してケアマネージャーに「便利だった」と説明したところ、翌日、ネットで探し出してくれました。すべての東横インに備わってはいません。
片手で切れるトイレットペーパーホルダー おくだけ|シマブン|介護用品の通販・販売店【品揃え日本最大級】- 快適空間スクリオ
https://www.scrio.co.jp/fs/kaigo/202/5743
我が家では勿論、即、Amazonで「お買い上げ」。信ちゃんのご愛用です。ケアマネ情報「Amazonで買う方が少し安いです」に感謝しながら。
(2023年6月10日:釜山駅 朝)信ちゃん、もう「箱」は慣れたもの。