2022年2月1日。映画『CODA』を見に行きました。
車椅子旅行にはまだまだ、残念ながら出発出来ません。ですが、2月1日。バスに乗り、3年ぶりに映画を見に行きました。
早めに着いたので、ビルの屋上にある庭園の脇の通路で日光浴をしました。「目をつぶっているのに、日差しが強くて眩しい」と信ちゃん(夫です)は本当に、気分がよいようでした。
二人であまりに気分よく太陽の光を浴びていたので、危うく上映時間が近づいた事を忘れ、映画鑑賞には不可欠なポップコーンを買い損なうところでした。
(私の手編みの帽子と手袋をしています)
いつもなら信ちゃんは夜中に、3,4度起きてトイレに行きます。
朝食の時信ちゃんは、本当に嬉しそうに言いました。「いつもなら1時半か2時に必ず目を覚ますのに、昨日は初めて目が覚めたのが5時だった。結局昨日の夜は、1度しか途中で起きなかった」
よほど疲れたのか。それともそれほど日光浴で気分がよかったのか。
時差ぼけなども、日光浴が一番効果があると言います。
暖かくなったら、もっと、信ちゃんを太陽の下に連れ出しましょう。
『CODA』はChildren of Deaf Adultsの事です。高校生の主人公の家族は、両親に兄の大人3人全員が聾者で、聾の俳優が演じています。3人の演技には、圧倒されました。
母親を演じているのは『愛は静けさの中に』(1986)のマーリー・マトリン。当時21歳。この作品で彼女は、最年少の女優としてアカデミー主演女優賞とゴールデングローブ賞を受賞しました。いうまでもなく、見事な演技です。
ですが、信ちゃんも私も、お父さん役の俳優さんに最も心惹かれました。お兄ちゃんもよかったけれど。
それと、二人で一番好きなシーンが一致した事が、嬉しかったです。次に好きだったシーンも。その次に好きだったシーンも。
普段は必ずしも好みが一致しない私たちですが、今回は同じシーンに心が揺れました。
映画は朝の回だったので、お昼を劇場近くのビルのインド料理屋さんで食べる事には前から決めていました。
ここは赤坂見附に1号店を開きました。1978年の事です。赤坂見附店以来、私たちはもうMoti(真珠)に40年以上通っているのですね。40年以上通っている店、結構多いです。赤坂見附店はかなり前に閉店しました。
最初の頃は客が少なく、常連となった私たちに、「新しいメニューに加えたいが、どう思いますか?」と言って、いろいろなカレーの味見をさせて貰いました
信ちゃんは半身不随になってから、記憶が途切れる事が多くなりました。私が「こうだったでしょう?」と言うと「覚えていない」とよく答えます。まあ、70歳を超えましたから、年齢的な事もあるでしょうが。
ところが、ところが。。。
お昼はランチメニューだけだったので、2種類のランチセットを食べたのですが、最後にチャイ
を運んできたウェイターの方に、信ちゃんが言ったのです。
「ここはマトン・ド・ピアジェがおいしかったよね」
私はびっくりしました。
「40年以上前、新しいメミューとして試食させて貰ったことが、赤坂見附店であったんだよ」
「それはそれは。それならば言って下されば、ランチの時間でも特別にお作りします」
長生きはするものですね。
『CODA』がいろいろな体験をさせてくれました。
映画プロデューサーの親友に『CODA』の話をしました。すると彼女が最新情報を教えてくれました。
「最初は客足がよくなかったけれど、口コミというかSNSで話題となって、ヒットしているよ。それにこんな指文字サインも人気で、映画関係者の間では、メールの後にこの指文字の写真を載せるのが流行っている」
どんな指文字かというと:親指、人差し指、小指を立てると、よく知られている
I love you
次に、Good Luckや「上手くゆくと良いね」という意味のCross Fingers人差し指と中指をクロスすると、
I really love you
みなさんが、『CODA』にどのような感想をお持ちになるのか。どのシーンがお好きになるのか。とても知りたいです。
2004年1月:ユカタン半島:どこの遺跡か覚えていません。お母ちゃんと私です。信ちゃんはこの旅行でテキーラの味を覚え、テキーラの飲み過ぎ(理由はそれだけではないですが)で、翌年2005年の1月に脳出血で倒れ、左半身不随の一級障害者になりました。