車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

昨日の散歩(電動車椅子で)自宅から商店街まで

 第二京浜に面したカメラ屋に生まれた信ちゃん(夫です)は、2005年1月15日に倒れ左半身不随になって12月8日の最初の誕生日、「カメラが欲しい」と言いました。それまではさほど機種にこだわらなかったのですが、その時ははっきりと Canon EOS 6D 

が絶対に欲しいと宣言しました。15年前の事です。
 正直、かなり値のものなので私は迷いに迷いましたが、思い切って買いました。今は心から、買ってよかったと思います。
 信ちゃんのカメラ撮影姿を見た方に、「片手なのにずいぶん重い物を使っていますね。凄いですね」と言われ、旅先での撮影では時々「プロの方ですか」とも言われます。そんな時の信ちゃんは本当に幸せそうな笑顔で声をかけて下さった方に微笑みます。
 Canon 本体には、EP-EX15 キヤノン アイピースエクステンダーを装着しています。


 自宅を出発してまず、ご近所のマンションの前を通過。

 このお宅はどの季節でも、緑が溢れています。


 情けない事に信ちゃんも私も、花の名前に恐ろしいほど疎い。花が大好きで木々の名前に詳しい義姉に、よくバカ(ハングルでは、パボと言います)にされています。
 花の写真を撮って名前を調べられるがあるそうです。最近は何でもネット上で調べられるのですね。ですが、どうもアプリはスキになれません。

 信ちゃんはあまりカラフルな花よりも、このような落ち着いた色合いのものがお気に入りで、必ずシャッターを押します。私もこのお宅は買い物に出かける通り道にあり、いつも手入れが行き届いているので、前を通るのが楽しみです。

 まず、黄色の花を見て「可憐だね」と言いつつ、先にあるあざやかな赤(?)の花を見付けて

素早く近寄り、「上の方まで上手く撮れるかなあ」と言いながらいつものように、カメラを上に大きく向けます。最初の頃はカメラが重いようで、うまくこのような角度の写真を撮るのに、苦労していました。今は、慣れたものです。

 さりげない小さな3色が混ざり合った花。その手前の白の中にピンクの花。いずれも信ちゃんは気に入ったようです。

 土地を整備した後に敷いたビニールの下から、顔をだしたピンクの小花。「根性小花だね」と言いつつ、カメラを向けます。

 商店街に近づくところで、仕事中の畳屋さんをみつけました。
 「江戸間ですか?」と尋ねると、「今はほとんどが江戸間ですが、これは珍しく京間です」との答え。それからしばらく、会話が続きました。「最近はほとんど、このような手縫い仕事の依頼がありません。大型の機械で簡単に出来てしまいます」
 しばらく「新しい畳の香り」を楽しませてもらいました。

 信ちゃんとの結婚生活はもう40年以上となります。いろいろなときに、信ちゃんと結婚をしてよかったと思うのですが、昨日も「幸せの瞬間」を貰いました。道端にみつけたタンポポを見て、「僕、車椅子からだと取れないから、取って」言われました。歳は取りたくないものですねえ。大地に生えたタンポポを膝まづいて取り立ち上がろうとしたら、「イテテテ」。危うく腰を捻るところでした。

 「フゥ~」と息を吐いたタンポポの種を見上げながら信ちゃんは「どこに飛んで行くのかなあ。来年また、出会えるといいね」と言いました。 

 信ちゃんのセーターは編み物好きの私のお手製です。左右が分かりやすいように、袖の色が左右異なります。最近はほとんど差をつけていませんが以前は、左袖口を右よりも多少、緩やかに編みました。


 昨日の散歩の目的は、今一番お気に入りのこのかりんとうを買いに行くことでした。

(2020年5月)

×

非ログインユーザーとして返信する