「タミフル飲んだら足がよく動く」
親友から、「車椅子旅行は楽しい」とあなたたちに繰り返されても、「なんだかきれい事過ぎる、という気持ちが拭い去れないのよね」と、年明け早々に言われた私。
以後ずっと、そんな親友の言葉をいろいろ考え・・・ぐずぐずしている間に、信ちゃん(夫です)が8度の熱を出しました。
我がマンションは幸運な事に、なんと隣に診療所があります。早速お隣さんまで診察の予約を申し込みに行きました。1時間ほどすると携帯に自動電話で、「診察の順番が近づきました」という自動メッセージが来ました。最近は本当に、何でも便利になりましたね。待合室で待つ必要がなくなったのです。狭い待合室です。実に合理的です。
信ちゃんを車椅子に乗せて待合室に到着すると、すぐに名前が呼ばれました。
先生は、信ちゃんの顔を見て頭に手をやり、聴診器で胸の音を聞くと、細長い白い箱から長い棒を取り出し、目にも見えぬ早業で信ちゃんの左の鼻に差し込み、取り出した棒の先を何かの検査液に浸すと即、「インフルB型ですね」と診断しました。
これまたほんとに手軽に検査をして貰えました。長い棒は「ぬぐい棒」と言うようです。
もともと今年に入り、風邪をぐずらせて少々体調不良が続いていた私。
結局、二人で枕を並べて討ち死に状態がその後10日近く続きました。そして私はさっき、やっと3週間ぶりに大好きな近所の商店街に出掛けました。いつもは自転車で行くのですが、まだ氷が滑ります。買い物かごをガラガラとひっぱりながらの買い物でした。太陽さんの光が気持ちよく、行き帰りで1時間近くの距離でしたが、楽しい散歩でした。
その間信ちゃんは、ヘルパーさんとこれまた3週間ぶりに、近所の公園に出掛けました。おなじみのコギーを漕いで。
公園ではもう何年も前から将棋好きの方々が集まり、将棋を指しています。信ちゃんも将棋が大好きで、勝負に参加することはありませんが、脇で見学させて貰っています。今では、指し手のおじさんたちとも仲良くなり、大好きな時間です。
そこで、信ちゃん、久しぶりに珍しい人に会いました。
ひろみさんです。
ひろみさんについては、三回にわたって書きました。
ひろみさんは私たちが今ある、大恩人です。
信ちゃんの「公園でひろみさんに会ったよ」
その一言で、ぽ~んと13年前の冬の朝に戻りました。
そして「車椅子旅行は楽しい」とあなたたちに繰り返されても、「なんだかきれい事過ぎる、という気持ちが拭い去れないのよね」という親友の言葉への答えが次から次へと湧き出てきました。ひろみさんについては、書いても書いても書き足りないほどの思いがいつも溢れ出ます。
で、信ちゃんとタミフル。
タミフルは薬です。薬というよりもドラッグって言った方がいいような。
信ちゃんには強力に効きました。ドラッグをやったかのように、「叫びたい」と言って妙な声を発し、「ほら見て。足をぴょこぴょこ動かせる」と、廊下を何度も往復しました。
インフルB型が去って行き、信ちゃんのドラッグによる変化も去って行きました。
私の結論: タミフルって怖~い。
日本で一番低いー41.2度になった事もある幌加内町にある朱鞠内湖。現在は―11度ですが、湖は凍りつき、周りは雪に覆われて凄い事になっているでしょうね。
蕎麦がとてもおいしい所でもあります。お世話になった宿の蕎麦も本当においしかったです。
(2014年8月末 朱鞠内湖は、日本一の人造湖だそうです)
