2017年北海道車椅子ドライブ旅行: ベッドのない宿
左半身不随の信ちゃん(夫です)は、布団の上には寝られません。畳の上では食事が出来ません。
ベッドのある安い車椅子ドライブ旅行の宿として、私たちはコンフォート・スーパー・スマイルなどの低価格ビジネスホテルチェーンによくお世話になりますが、都会にしかなく、最近は随分と値上がりました。今回の釧路のスーパーホテルは二人で朝食付き7,180円ですが、私たちは60歳以上限定のプランですのでこの値段。通常は早割りで予約しても9,000円を超えます。うかうか泊まれません。
それに手軽ですが、好きにはなれません。
「宿」は、目的地はどこか。そこで何をしたいかで決まります。
今回の目的地は根室を中心とした道東なので、
1) とほネットワーク旅人宿の会|北海道の安宿・ゲストハウス
2) 道東旅人宿の会・カキやジャガイモなどが当たるスタンプラリー開催中!
を中心に、通過する町の観光協会の宿リストをチェックしました。サイトを見る限り和室だけだとか、部屋は二階で車椅子がNGと思われる場合でももちろんあきらめず、候補の宿には一軒一軒電話をして尋ねます。
「一階に部屋はありますか?」
「すべて二階です」と言われても・・・倒れて13年目の左半身不随の信ちゃんは、右に手すりがあれば普通の階段の上り下りは可能です。
「階段の左右に手すりはありますか?」
と・こ・ろ・で・・・
信ちゃんはクルーズが大好きです。ウトロでも羅臼でも石垣島でもみなさんに助けられ、クルーズを楽しみました。海岸線を走る今年の旅でも、もちろんクルーズに乗る気、満々です。
「根室・クルーズ」でネット検索すると
が見つかりましたが、値段はなんと一人8,000円。二人では16,000円にもなります。とても手が出ません。
そこで範囲を広げて「道東 クルーズ」で検索。
ありました、ありました。別海町観光開発公社: 別海町観光船-top- が根室の北の野付半島への船を出しています。尾岱沼港から出るクルーズ「ドトワラ・コース」だと一人2,480円で二人でも5,000円以内。これなら手が出ます。早速速電話で問い合わせしました。
「車椅子でも大丈夫ですか」
「大型船なので甲板にも出て頂けます。半島の先端の トドワラ - Wikipedia では船が50分停泊する自由時間があります。ドトワラは砂地で車椅子は移動が難しいので車椅子のお客様には、船内でお待ちいただいています。それでよければどうぞ」
その後、Joecoolさんのブログを見て、絶対に行きたいと思いました。
(FreeWheelを8月7日に、新規にレンタルしたJW-sに取り付け、それを北海道に持って行きます:この話はまた後日) FreeWheelの先に待っているのは? - 車椅子旅行は楽しい!
尾岱沼港に朝早く出発するクルーズを楽しむために、前日に尾岱沼に宿泊しようと、
いつもの宿探しルールを実行します。
1) グーグル地図で、目的地近隣の宿の場所をチェック。
2) https://www.clipit.jp/やじゃらんなどの旅行サイトでそれらの宿の価格と口コミを比較。
3) 宿にHPがあれば、必ず目を通す。
4) 宿に電話をかける。
今回候補の3軒の中で一番安い、尾岱沼温泉シーサイドホテルに狙いを定め、電話をかけました。
「バストイレ付きの洋室は2階です」
「HPを見ると1階にもバストイレなしの洋室がありますね」
「はい、あれは同系が運営している民宿の部屋となります」
「同じ建物ですか」
「はい」
「HPによれば2階の洋室は駐車場を向いているが、1階は海ですね。民宿用の洋室からは朝日が見られるのですね」
「はい」
「値段は?」
「民宿価格の6,500円からで、蟹が付くなど夕食の内容によって値段があがります」
蟹は花咲港の宿で花咲蟹を食べる予定なので、民宿価格でお願いすることにしました。2食付で二人で13,000円。海も見えます。クルーズが発着する尾岱沼港まで歩いて行けます。
旅行サイトだと和室だけ販売していても、宿のHPには洋室が1つ掲載されていて、電話で問い合わせると「電話でのみ予約を受け付けている部屋です」と言う宿もあります。洞爺湖に面した壮瞥温泉の 旬菜宿房 いこい荘 もそんな宿の一つでした。
昨年、時計回りで函館から小樽まで海沿いを走り出会った、部屋はすべて和室で2階だけ、という松前の宿の話を書きました。到着するまではどうなるかと心配でしたが、完全バリアフリーと謳うホテルよりも私たちには、理想の宿となりました。
松前の宿の経験で勇気づけられた私たちは、少々無謀だと思われる宿にもトライすることにしました。野付半島の付け根にある標津町の「船長の家」です。
口コミの評判がよく:
民宿 船長の家【 口コミ・宿泊予約 】- トリップアドバイザー:
漁師の宿 船長の家 北海道 標津|ホンマか?見聞録:
野鳥写真家 戸塚学の Happy Bird’s Day/おススメの宿/北海道/
根室海峡や国後島が目の前に見えます。
ダ・メでもともとと、電話をかけました。
「一階に部屋はありますか」
「ありますよ」
「和室ですか」
「ええ」
「夫は半身不随で布団には寝られません」
「玄関さえ頑張って上がって貰えれば、簡易ベッドを用意しますよ」
や・っ・た!
今回は、「船長の家」「民宿 岩さき」そして「本別温泉グランドホテル」の三つの宿で、信ちゃんは簡易ベッドのお世話になります。電話の向こうのみなさんは誰もが元気で気さくで、お会いするのがとても楽しみです。
北海道車椅子ドライブ旅行ではいつも、必ず同行してくれる子たちです。
(2016年8月 苫小牧から大洗のフェリーの中)
今回の旅で最北に位置する8月22日に宿泊予定の万月堂は、グーグル地図から見つけました。
