2018年初の楽しい四国車椅子旅行は・・・(2)
信ちゃん(夫です)が「四国って、ポルトガルのようだね。人が穏やかで魚が美味しくて」と言った事は、
で書きました。それは、旅が始まった直後から最後までの、四国に対する私の率直な感想でもあります。
そもそも四国に行く気になったのは、東京から徳島までのフェリーがある事を知ったのがきっかけでした。このフェリー、「シンプル・フェリー」と名付けられたように正直、大洗から苫小牧へのさんふらわあ号に比べるとシンプルを通り越して私には
味気ない。食堂がない。お風呂はありますが、特別な船内プログラムがなく、17時間の航海の過ごし方は食事も含めて乗船前によ~く考えなきゃと思いつつ・・・何を期待してよいか分からないまま、オリンピックを前に大きく様変わりを続ける有明に新しく出来た殺風景なフェリー乗り場まで行き、出発の車の列の脇に並びました。
車椅子車輛は一般車とは並ぶ列が違うので。「行き」は全ての車両の一番最後。「帰り」はトラックの後、一般車両の一番最初に船内に乗り込みました。
エレベーターすぐ脇の位置に車を止めて信ちゃんを車椅子の乗せると、係りの方と思しき中年の男性が声を掛けて下さいました。「車椅子を押しましょう」
北海道へのフェリー、三井商船のさんふらわあ号でも、エレベーターの所から案内の方が付き添って、客室まで案内して下さいます。新日本海フェリー: 新日本海フェリー|舞鶴・敦賀・新潟・秋田と北海道を結ぶフェリー航路 にこのサービスはありません。
私たちは今回、陸側の二人部屋を予約していました。
案内されたのは4人部屋でした。
「ん?」
「車椅子で二人部屋は狭すぎるでしょう。今日は空いているのでこの四人部屋をお使い下さい」
「わああ・・・ありがとうございます」
バリアフリールームは6室もあるのですが、窓がないので最初から、考慮しませんでした。車椅子用トイレには尿瓶を洗える場所がありませんでした。「ごめんなさい」と言いながら今回は洗面台を使わせて貰いました。
こうして、四国に足を踏み入れる前から、心優しい方に出会いました。以後、どこの宿でも、こちらが恐縮するほど、親切にして貰いました。
到着を伝えるとフロントから走って小雨の中、信ちゃんの車を誘導して下さった「オリエントホテル高知:オリエントホテル高知【公式|最安値】高知 ホテル のスタッフ。
ホテルアネシス瀬戸大橋:【公式】ホテルアネシス瀬戸大橋(旧ホテルサンルート瀬戸大橋) の、「妻が倒れたのでタンカーから降りて、昼間一緒に居たいので夕方から働いている」と話して下さった駐車場係りの方との会話は、示唆あるものでした。
改めてこう書いて見ると、車椅子生活者慣れしている友輪荘:道後 友輪荘 - 完全バリアフリー宿泊施設 - 愛媛県社会福祉事業団運営 のスタッフの対応が一番味気なかった気がします。北海道江刺のホテルあすなろ:
のスタッフも、私たちには違和感がありました。その事は
でしっかり書きました。
バリアフリーと銘打った宿で再訪はないと思った宿もう一つ、摩周湖の近くにあります。
ここは、
の対象の宿の一つで、北海道ですが都民でも安く宿泊出来るので貴重なのは確かです。
「魚が美味しくて」は、初日の日からずっとはずれがなく、ウハウハパクパクし続けました。
1) 牟岐市砂美: 伊勢海老・アマダイ・とこぶし・むつが夕食に登場しました!!
2) 室戸: 鰹の叩き (高知は鶏肉のワイン煮)
3) 四万十の鰻: 四万十の鰻には頭が付いていたので、魚ということで・・・。
4) せいらんの里:http://primenet2010.biz/seiran/ の川魚(名前を失念)の煮付け
5) 宇和島の鯛茶漬けと鯛めし
6) 今治の穴子弁当
7) 尾道の宿のタイ料理: 鰹のから揚げの甘酢かけ
8) 宇多津の回転寿司
9) 北灘港:桜鯛とイカ、鯵、白身のフライ付き。
瀬戸内海に面した北灘港は、鳴門の渦を見に行こうと美馬の宿:油屋 美馬館 公式ホームページ からのルートの途中で偶然発見しました。大当たりでした。
「ねえ、知ってた? 太平洋の鯛と瀬戸内海の鯛はまったく味が違う。うずしおにもまれた桜鯛は甘い!」鯛好きの信ちゃんは東京に戻り、みんなに最初に報告しました。
10)は番外編で、徳島最後のホテルの鉄板焼き:魚ではありません。
阿波牛・・・「牛肉のトロのようだ。口に入れると溶けてしまう。これまでて食べたステーキで、一番おいしかったかも」と信ちゃん。私にはサシが強すぎてもったいないが一切れ残してしまいました。歳は取りたくないものです。
ポルトガルですが信ちゃんが元気溌剌な90年代、2年続けてドライブ旅行をそれぞれ10日間楽しみました。
何故にポルトガル? それは、日本人が最初に出会った西洋であり、天正の少年使節には学生時代から興味があって・・・ではなく、TV番組のポルトガル料理特集を見て、本場に食べに行きたいと思ったのがきっかけです。
ポルトガルでは使節団のルートを辿り、少年たちがパイプオルガンを弾いたり、伯爵夫人とダンスをした大広間などを見て回りました。老後はポルトガルで暮らしてもよいと思うほどになりました。
いつか、私たちのポルトガル愛について語りたいです。
去年、30年ぶりに会いに行った大恩人でもある友人の住むマンチェスター
の公園で、リスに会いました。信ちゃんは車椅子になって、心から自然や動物に目を配るようになりました。嬉しいです。
(2017年5月 マンチェスター)
