車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、13年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

車椅子旅行の贈り物: あっこちゃんに同行する

 ひょんなきっかけから「日本手話」を始め、そこで出会った「あっこちゃん」に誘われ、「アメリカ手話」(NPO法人日本ASL協会 » アメリカ手話を学ぼう!)のクラスに通い、「のぶこちゃん」に出会いました。
 まだ信ちゃん(夫)が脳出血で倒れる前、のぶこちゃんあっこちゃの二人に出会った事は、「」だったに違いない。神様に感謝です。


 のぶこちゃんからもらった贈り物は、「車椅子旅行の贈り物: のぶこちゃんの一言 - 車椅子旅行は楽しい!」と「車椅子旅行の贈り物: のぶこちゃんのソウル旅行 - 車椅子旅行は楽しい!」で、2回にわたり書きました。


 あっこちゃん
 あっこちゃんは普通中学の英語の先生でした。四年かけて夜学で学び、養護学校の英語の先生になりました。
 ある日、あっこちゃんが言いました。
 「修学旅行先が日光に決まったので、来週下見に行くの」
 「日光? しばらく行ってないなあ。くっついて行ってもいい?」
 「いいよ」


 東武東上線浅草駅中央の、階段下で待ち合わせました。あっこちゃんは首から小さなを提げています。
 切符を購入後、すぐにでも階段を上るのかと思っていると、しばらく階段を見上げます。
 「人の流れを見ているの」
 「ん?」
 「ここは右側通行なのね」
 パシャ写真を撮りました。


 階段を上りながら、段数を数え、ノートに書き込みます。その後も、何度も何度もノートを開き、いろいろな事を書き込んでいました。


 階段を上りきると、へと歩き出します。
 「どこに行くの?」
 「トイレよ。ちょっと待っててね。中も見るから」
  パシャ


 プラットフォームにはもう、乗車予定の列車が入っていました。車両番号・座席番号を調べようと切符をバッグから取り出そうとするとあっこちゃんは、スラスラと二つの番号を言いました。切符を買った時に、番号を覚えたのだそうです。
 私たちの車両を見つけて
 「あった、あった」と言う私。あっこちゃんは構わずどんどん先に進みます。
 「どこに行くの?」
 「先頭よ」
 「ん?」
 パシャパシャ


 「自分たちが乗る列車がどんな顔をしているかを、事前に見せるため。自閉症の子は、初めての事は何でも、とても恐ろしいと感じるんじゃないかな。体が動かなくなるの。だから初めて訪れる環境のいろいろな写真を先に見せておくと、しっかり覚えていてくれて、トイレに行くのも、列車に乗り込むのもスムーズになるのよ


 その後、あっこちゃんパシャパシャ、といろいろな写真を撮り続け、メモを取り続け、私はひたすら感心しながら、小走りして後を追いかけました。
 その夜、枕を並べて寝そべりながらその日の体験を含めて、本当に多くの話をあっこちゃんに聞かせて貰いました。それは未知の世界の物語でした。


 初めての事は何でも、とても恐ろしいと感じるんじゃないかな。体が動かなくなるの。


 これは、脳出血による「高次脳機能障害」(脳卒中の高次脳機能障害って何?症状の理解とリハビリテーションについて - MEDLEYニュース)の信ちゃんにも言えることです。
 最初の頃から比べるとずいぶんが進んだので、びっくりさせられる事は少なくなりましたが・・・初めての場所だと今でも、「では安全だと分かっていても、が動かない。僕でも大丈夫かどうか、先に行っ確かめてきて!」と信ちゃんは叫びます。


 あっこちゃんほどな準備は出来ませんでしたが、最初の頃はひたすら旅行先の画像を集め、信ちゃんに見せまくりました。
 知らず知らずに「あっこちゃん」が身について行き・・・
 その・で、車椅子旅行を無事、楽しんでこられたのではと思っています。
 あっこちゃん素敵なありがとう!!!


 今年の秋は、福島の友人に会いに行きながら、紅葉が楽しめたらいいなあと考えています。それと大好きなダリを見にも。


 これは、東京・立川の昭和記念公園の秋です。

(2014年11月)