バスボードが嫁に行きました。
昨日降って湧いたように突然、区の社会福祉協議会
から電話がありました。
「バスボード
を欲しい方がおられるのですが」
「はぁ?」
ず~っと忘れていました.。
近所の小学校の裏にある区の包括支援センター
に買い物帰りに寄り、「バスボードを使わなくなったので、必要な方に使って頂けると嬉しいです」と伝えました。あれからすでにもう2年以上経っています。
住所と電話番号・氏名を書いて、ぺ~らぺらの書類を提出したような、しないような。
倒れて数年、バスボードがなければ信ちゃん(夫)は湯船には入れませんでした。浴室内にいくつも手すりをつけたのですが、手すりに掴まっても、足を湯船のヘリまで上げられなかったからです。今は足が上がり、私がケアをしていますが、ほんの数年前まで入浴は、全面的にヘルパーさんにお願いしていました。
そんな信ちゃんの入浴の歴史に大きく貢献してくれたバスボードなのに、洗面台の前の隙間に立てかけたまま、いつの間にか忘れ去られ、埃を被っていました。
子供は一人で大人になれないと同様、私たちがこれまで楽しく自宅暮らしが出来たのは、たくさんのヘルパーさんのサポートがあったからこそなのに・・・
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言ったものです。
車椅子旅行は楽しい! といくら叫んでも、車椅子旅行に行くには
1) 旅に出られる体力・気力がなければダメ。
2) その体力・気力作りとその維持は、自分たちだけで築いて来たのではない。
一枚のバスボードが思い出させてくれました。
国の管轄下にある包括支援センターに登録したのに、半官半民
の組織である区の社会福祉協議会から連絡。これいかに?
それはそれとして・・・
今なら、バスボードを含めて、さまざまな介護用品をすべて新しく買い揃えることなどせず、ネットでリサイクル品を探したと思います。介護用品って高いですよね。
信ちゃんが倒れた11年前、ベビー用品のように長く使用しないものも多いから、リサイクル品はどう? と、誰も教えてくれませんでした。教えて貰っていても、目の前の現実対応に手一杯で、スル―していたのかも知れませんが。
いざ、リサイクル品情報を探すとなると、ネット・ブラウジング(ネットで情報を集める)が趣味の私でも、結構、苦労しました。いろいろ試した結果、お勧めは・・・
「(みなさんの近隣の場所の名前)社会福祉協議会 リサイクル」で検索する、です。
すると、こんなページがいろいろ見つかります。
例えば札幌:
ですが、倉敷市の場合は:
「家庭で使用しなくなったがまだ使える介護機器・介護用品をお持ちの方は、電話・FAXで社協に登録してください」
「登録してください」って「上から目線」。善意があっても、気持ちが萎えます。
高齢の方は、リサイクル品への感じ方がほかの世代とは異なるし、古着の方が高価なジーパンがある事を知らないのが普通です。
「人様にお古をお分けするのは失礼では」と慎ましく考えて、電話をしなかったら残念です。
ヘルパーさんが不要の介護用品を、代理でスマホ登録できるようなページが全国社会福祉協議会のHPにあったら、家を出るタイミングを逸した介護用品がみな、「嫁・に・行・け・る」のに。
どうして我が家にバスボードがあることを知ったのか。ご母堂のためにバスボードを取りに来た方に聞くと、「妻がヘルパーをしていた事があって」との答えが返って来ました。私の気持ちは今、少々微妙です。
チュニスの郊外の城壁からの眺め。北アフリカの太陽は強烈でした。
(2002年1月)
