車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

2024年版車椅子旅行の基本(2):校長先生の教え

 車椅子旅行の基本(1)を書いた後、いろいろ以前書いたものを読んでいて、この投稿を見つけ、改めて読み直し、改めてそこで書かれている事がどんなに重要であり、今の私たちの幸せで楽しい車椅子旅行を可能にしてくれているかを思い、みなさんにも是非読んで頂きたいと思い、紹介させて頂きます。
 校長先生の教についての投稿

 その他、基本(1)を読み返し、重要な事を書くのを忘れていた事に気付きました。


 友人の車で2007年の5月、宮崎県と鹿児島を旅した帰り、宮崎の飛行場でANAの飛行機に支障が出て、出発間際JALに数人がANAから乗り換えが出来る事になりました。障害者だったからなのか、信ちゃん(夫です)と私がその数人の中に選ばれ、ANAの機体から降りてすぐにJALの飛行機に乗りました。
 そして…離陸後30分ほどして信ちゃんが、尿意を催しました。出発前にトイレに行く時間がなかったからです。手元にあるタオルなどで応急処置をしましたが、可哀想な信ちゃんのズボンは「おしっこまみれ」になって仕舞いました。
 今では考えられないですが当時、私たちは「尿」を持ち歩くと言う発想がありませんでした。入院中にも、自宅に戻ってからも毎日お世話になっているにも関わらずに。
 信ちゃんとの外出時には必ず、車椅子の後ろに尿瓶の入った黒いナップザックを乗せます。このナップザックには、NZで一人山登りを楽しんでいた男性との貴重ない出が詰まっています。
 その方とは2015年8月の朝5時、NZの南島にあるクイーンズランドのYHの食堂で会いました。食堂はA・Bと2部屋に分かれていて、A部屋にはまだ鍵がかかっていて入れないので、私たちはB部屋に座って居ました。
 「これから朝一番のバスに乗るので、A部屋の鍵が開くのを待っていられません。A部屋の冷蔵庫に柿の種とビールが入った黒いナップザックがあるので、それをピックアップし、中身を食べるだけではなく、良ければナップザックも使って下さい」
 そのナップザックは今、信ちゃんの尿入れになり、愛用させて貰っています。
 「NZには山登りが好きだった妻と来るのを楽しみにしていたのですが、昨年亡くなりました。ナップザックは妻の物です。本当は手放したくないのですがバスに乗り遅れます。日本に持って帰って頂けたら、妻も喜ぶと思います」


 旅は、果てしない愛と夢をいつも運んでくれます。


 今年10回目の8月27日から9月11日までの北海道車椅子旅行。石狩からオロロン街道を日本海を見ながら北上します。途中には信ちゃんが大好きな甘えびの羽幌町があります。これは前回訪れた時に食べた甘えび丼です。

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