2024年版車椅子旅行の基本(1):障害者手帳のフル活用
台湾社員旅行の「後編」。書きたい!書かなきゃ!書くのだ!と思いつつはや3か月か月経ちました。絶対に皆さんに台湾旅行の楽しさを最後まで報告したいので、書きます。もう少しお待ちください。
というのも、台湾旅行の報告以上に「今、書かなきゃ」というテーマに出会ってしまったのです。
信ちゃん(夫です)の長年の仕事仲間で、先月80歳になられた舞台監督Tさんと久しぶりに楽しい長電話をしました。足を痛め、杖を手離せなくなったと、Tさん。電話をそろそろ切ろうかなという間際に、言われたのです。「あなたたちは元気にいろいろな場所を旅行している。偉いね。凄いね。羨ましいよ。私も子供や孫たちと旅行、それも海外旅行に行きたいが体力に自信がないし、どう計画を立てて良いのか分からないので、旅に出る決心がつかない」
電話を切ろうとしていた私はその言葉に、2月末の台湾社員旅行を思い出しながら「家族と一緒なら、どこでも旅行に行けますよ」と断言しました。ちょっと興奮気味に。
電話口の向こうで、しばらく無言が続きました。
どこから話を始めればよいのか、私も一瞬迷いました。そして聞きました。
「ところでTさんは、障害者手帳を持っています?」
「持ってるよ」
「ならば、私たちとほぼ同じように好きな所に旅が出来ます」
その後、どんな旅をしたいのかを聞きました。電話ではとてもすべてを話し切れないので、大好きな昭和記念公園
の近くに住むTさんの家を訪問する事にしました。お会いするのは10年近くぶりになります。
まず、このサイトを開いて、今住まわれている県および近隣の県のサービスをチェックして下さい。
「へぇ、こんなに色々な割引があるのだ」と驚かれるはずです。
昭和記念公園の入場料・駐車料をチェックすると駐車料金のご利用案内の所に書いてあります。
「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」いずれかの交付を受けている方は、手帳(ミライロID含む)の提示によりご本人及びその付添人1名の入園料および駐車料が無料となります。
今年、世界遺産登録の10周年を迎える富岡製糸場:
に兄夫婦と深谷の「ネギ」を食べに行った時、せっかくここまできたのだから、近くに無料で行ける「何か」はないかと調べて、富岡製糸場を見つけました。ここもまた、障害者手帳で入場料が無料になります。
正直、Tさんの相談内容はあまりに初歩の初歩だったので、びっくりしました。ですがよ~く考えたら、それらの質問はまさに、私たちが「車椅子旅行を始めた頃」に出会った多くの「疑問」そのものだったのです。
1) 旅に行くなら、移動距離を気にしないで、いろいろな場所を訪れたい。杖だけでは、移動距離が限られてしまう。
答え: 出発前に、車椅子をレンタルしましょう。
2) 海外に行く時、車椅子を飛行機に乗せられるのか?
答え:もちろん。
実は軽く今では「もちろん」と答えていますが、2005年、脳出血で倒れた翌年の2006年。初めての海外旅行でラスベガスに行った時、自分の車椅子を飛行機に乗せられると思いつかず、アメリカ在住の友人に「病院からレンタル」してもらい、飛行場で受け取りました。
3) 宿はすぐに見つかるのか?
答え: 見つかります。というか、この5月上旬の「対馬」への旅のように、東横インが2つもあった事が決めての一つになる。なので、車椅子旅行の初心者はまず、近郊の車椅子OKの宿を探しましょう。
例えば「昭和記念公園」とTさんに会う事がメインの、1泊のプチ車椅子旅行に行きたいと思ったら、近隣の地図を開きます。立川市、昭島市、福生市、ちょっと外れて八王子市。いずれにも「東横イン」はあります。ただし、ツインはなく、シングルの部屋しかない「昭島市」の場合もあるので、最初は「ツイン」のハートフルルーム(東横インのバリアフリールームの登録名)を「家族旅行」ならお薦めです。
バリアフリールームの宿を探すにはいろいろなサイトがありますが、どれも割高。私のお薦めサイトはhttps://www.clipit.jp/「宿Clip」です。何度もお世話になりました。
後は、1)Google Mapを開いて 2)行きたい場所近辺を拡大してこまめに見て 3)気にいった場所にある宿のHPを見て4)電話をかける。
私たちの大好きな北海道標津町の宿「万月堂」
との出会いも、隠れキリシタンの村「外海(そとめ)」の宿とも、このステップを踏んで出会いました。
長崎県の地図を拡大して見つけたもう一つの幸せ。それが音浴博物館です。サウンドエンジニアの信ちゃんはまず「音浴」という言葉に「反応」しました。山奥へのレンタカーでの運転には苦労していましたが、信ちゃん頑張った。
と、ここまで書いてきて思い出しました。2016年、このブログを書き始めた6月5日から3回。「私たちの初めての車椅子旅行」のタイトルで連続投稿をした事を。
そこにも書きましたが、この一泊旅行の決心をした理由は実に明快。信ちゃんのケアにうんざり気味でウジウジしている自分が嫌で、とにかく気分転換がしたかったのです。
そんな時、見つけました。投稿にも書きましたが、当時お気に入りだった旅のサイト「じゃらん」を見ていて・・・我らが駅から地下鉄1本で行ける場所に「新規オープン・特別価格朝ご飯付き・一人2,900円」のビジネス・チェーンホテルを発見したのです。早速、出かける事にしました。
信ちゃんには、すべて事後承諾です。旅も3年目辺りから相談するようになりましたが、最初は「相談なし」。決行あるのみでした。ホテルは幸運な事にたまたまコンフォート。東横インに出会うまではいつも、私たちの第一候補でした。なぜ「幸運」かは、「郡山編」を読んで頂くと分かります。
今日はここまで。梅雨のせいなのか、去年8月の右肩骨折の後遺症なのか、右手首に違和感を感じ、右肩付近もちょっとズキズキしています。
写真は青森の小牧野縄文遺跡。特別に車で遺跡の前まで入らせて頂いたのですが、帰路、Uターンする時に小さな崖に落ちました。学芸員の方が引き上げて下さいました。ホンダ2000の黄色いペンキを車体だけでなくホイールにも塗ったm世界に一台しかない黄色いフリードでした。「のりたま号」と命名したこのフリードとは10年仲良くして貰い、今は若草色のフリードに、やはり特別にホイールも若草色にしてもらい乗っています。フリードはトランクがフラットで、車椅子が乗せやすいので。小牧野遺跡のみなさま、この写真を見るたびに、あの時の「恐怖」と「みなさんの優しさ」を思い出します。