車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

初めての自分たちだけの国内旅行:北海道 (2)

 2007年の春、TVを見ていて「旭山動物園に行きたい」と信ちゃん(夫)が叫び、北海道行きを敢行しました。車椅子となって初めての北海道旅行です。「坂が多いから大変。車椅子を一人で押して回るのはは無理」と言われた旭山動物園も、無事NGOのボランティアの方のサポートで乗り切れた事は前回書きました。倒れてから2年半少し経った、2007年9月の事です。


「思い立ったら即実行する」がモットーの私ですが、準備期間に6か月かけました。一番大きな理由は、

(1) 8月は飛行機代が高いので安くなるのを待っていたから。そのため、ラベンダーの季節を逸してしまったのは残念でした。

 次に、旭山動物園だけではもったいないのでもう一か所、どこに行く?

 「北の国から」のファンの信ちゃんの答えは明快でした。「富良野!」


(2) 初めての国内旅行で、サイトで見つけられる以上の情報を集めるにはどうすればよいか。一番手っ取り早いのは、「観光協会」または「訪問先(施設でもホテルでもどこでも)」に問い合わせをする、です。以後、旅先の観光協会などにメールを送るのが定例となりました。基本、聞くことはほぼ同じなので、メールのひな形を作っておけば、大した手間ではありません。


 その時、気を付ける事

 A) 土・日にメールを送らない。相手は準役人さんなので、週日にしかメールをチェックしない(はず)。返信が遅いとイライラする(少なくとも私は)ので精神衛生に良くありません。(きっと)月曜日は忙しいので、火・水に。細かいでしょ?  ですが、車椅子旅行では、この細かさとしつこさが大事です。

 B) 出来るだけ質問の内容を具体的に。車椅子でも大丈夫なレストランを薦めて貰った時には、場所だけではなく値段も必ず確かめます。


 旭川から富良野へ向かう地図を見ていると、見つけました。おっ!面白そうだ。


上富良野トリックアート美術館:深山峠アートパーク 


 問い合わせメールに返信を下さった大田さんとのやり取りを紹介します。若くて優しいお姉さんでした。もう結婚して子供も居たりして(余計なお世話ですが)。


私: 初めまして。9月中旬に中富良野に遊びに行き、そちらを知って伺おうかな、と思っています。夫は、車椅子です。バス停からそちらまでは、平坦な道ですか?館内は、バリアフリーですか?また、入場料、障害者割引はありますか?
よろしくお願いします。


大田さん: 初めまして。バス停から当館までは平坦な道です!  そして、館内はバリアフリーです! 入り口前に段差はありますが、奥の方にスロープがついてますし、車椅子の方でも使えるトイレもあります。  入館料金は、受付で手帳をご提示していただければ 300円 の割引をしております。 他にも、ご不明な点や、ご心配な点がございましたら、お問い合わせくださいませ(^^)


私:  9月25日に旭川に到着します。 今のところ、28日に伺う予定です。
 ところでそちらから、タクシーを呼ぶことが出来るでしょうか?  29日の宿泊予定は、ふらのラテールです。
 

大田さん: おはようございます。当館の受付で、お申し付けくださればタクシーお呼びしていますよ! 入館の際にでも、おっしゃってください(^^) 北海道楽しんでいってくださいね☆  28日お待ちしております!お気をつけてお越しくださいませ。


 帰宅後、このようなメールを送りました。

「大田さま、トリックアート、楽しかったです。 ありがとうございました。 さっき、無事帰京しました。
 北海道のみなさんのたくさんの愛を頂き、車椅子でも不自由なく旅行が出来ました。
 今朝は、中富良野からJRに乗り、新得に出て蕎麦を食べたのですが、中富良野では、富良野の海原駅長さんにわざわざお手伝いしていただきました。 昨日はファーム富田で、早咲きのラベンダーの、二度目に咲いた花の香りをかぐことが出来、夜は、ラ・コリーナのおいしいイタリアンに舌鼓を打ちました。あそこは、素敵なレストランですね。
 東京にいらっしゃることがあったら、是非ご連絡下さい。最新の情報、提供します」


 次回は、ふらの観光協会の稲垣さんとの出会い物語です。車椅子旅行だからこそ、前回のボランティアの方々も、今回の大田さんとも、明日の、稲垣さんとの出会いもあったのだと思います。

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