車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

7カ月ぶりの北上・福島2泊3日の旅で思った事(後編)

 「みちのく三大桜の名所」である北上市への旅で、事前に「この情報」があればあれほど東横インのフロントの若い素敵な女性スタッフにも、義姉にも心配をかけずに済みました。
 それは、「珊瑚橋からずっと先にある駐車場まで行かないと、車椅子では桜並木を見に行けない」と誰もが思い込んだ情報というか、事前でチェック出来る範囲では思い込まさざるを得ない情報しかなかった現実でした。
 信ちゃん(夫です)が脳出血で倒れて、今年で18年目となり、「ネット検索」による「情報集め」には私、ちょっとしたがあります。1)観光協会関連のサイト 2)主題に言及する「ブログ」を読む。そこで見つけたサイトを更にチェック。そしてその後に必ず、観光協会関連に問い合わせをする。これが、適切な結果が得られる、私の検索の基本ステップです。
 そして今回、出だしが少々悪かったのが敗因だったのかなあ。
 まず「北上観光コンベンション協会のHPを検索し、旅の一か月前、3月12日にメールを出しました。

「1)一番知りたい事。車椅子トイレのある桜の名所。
2)名所に行く、公共交通機関は車椅子対応状況。松江市の時は、車椅子可のバスと、そうでないバスがありました。名所と、そこに運行しているバス会社(路線)を教えて頂ければ、バス会社に直接、車椅子可のバスの時刻表など問い合わせます。
3)北上市には、バリアフリーマップがありますか?そこには、坂などの、高低差は表記されていますか?金沢のバリアフリーマップは六義園に車椅子トイレが表記されていたのですが、六義園が丘の上にある事、梅まであがったらトイレまでが砂利道と表記されていなかったので、金沢に行ったのに六義園には行けくのを諦めました」


 翌日には協会の担当の小原さんから返信が来ました。即、返信をさったので、「これは幸先が良い」と喜びました。
「1)車椅子トイレのある観光名所について
北上展勝地(きたかみてんしょうち)内に複数個所、バリアフリーのトイレがございます。
詳しい情報は下記のホームページにて紹介しておりますので、ご参考になれば幸いです。
ホームページURL  https://kitakami-kanko.jp/tourism/tensyochi/
2)公共交通機関の車椅子対応について
展勝地公園まで行くバスは2種類ございますが、どちらも車椅子の方は乗り入れが難しい車両との事です。
参考までに、下記のとおり情報を共有いたします。
①シャトルバス…4月22日(土)、23日(日)運行予定(北上駅東口シャトルバスのみ24日、25日も運行)
発着所…北上駅東口、江釣子ショッピングセンターPAL、イオンタウン北上、稲瀬臨時駐車場 ~ 北上展勝地
備考…大型シャトルバスを運行予定ですが、問い合わせたところ、「車椅子の乗り入れは想定していない観光バス」との事  でした。
②地域コミュニティバス「おに丸号」稲瀬線…月、水、金のみ運行
備考…ジャンボタクシーを運行しており、車椅子の方は難しいとのこと。https://www.city.kitakami.iwate.jp/life/soshikikarasagasu/toshisaiseisuishin/koutsuuseisaku/1_1/17764.html
3)バリアフリーマップについて
現在、北上市にバリアフリーマップはありません。
4)その他:
・桜の満喫できる日…民間の気象会社様の開花予報によると、満開の予報が4月22日(土)だそうです。
その近辺であれば桜を満喫できるかと存じます。
参考URL… https://weathernews.jp/sakura/spot/34/」
 (残念ながら、この予報はまったく当たらず、私たちが訪れた4月13日がぎりぎり。その日は東京にも吹き上げた黄砂が桜を蹴散らし、翌日は葉桜になったようです)


 送られて来たHPを開くとそこでは、信ちゃんには必須のトイレが、「車椅子用トイレ」でも「多目的トイレ」ではなく、「障害用トイレ」と書かれていました。
 このような場合、即、メールを出します。以下は、私が旅の一か月前の3月12日に協会の小原さんに出したメールの抜粋です。
 「・・・さっき、「さくら祭り」のページを見せて頂きました。
 とても気になった事。都内では見た事のない「障害者用トイレ」という言葉の繰り返しに、ドキッとしました。「差別用語」だと思います。通常は「多目的トイレ」という言い方です。
 市外、県外の車椅子生活者の観光客、これからは増えると思います。
 「障害者用トイレ」という言葉を使わない、バリアフリーマップを作って頂ける日が早く来ますように」

 このメールへの返信は、翌日ではなく、3日後でした。小原さんの返信を抜粋します。
 「ご指摘いただき、誠にありがとうございました。
該当箇所を国土交通省に習い、「バリアフリートイレ」の名称に変更させていただきました。
参考:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/content/001443243.pdf
今後は「障害者用トイレ」等の記述を見つけた場合、内容を修正していきます」


 東横インにチェックインをして、夕刻までわたしたちが部屋で休んでいる12日の夕方、翌日の車椅子の動線をチェックしようと義姉が、下見に行きました。そして「残念ながら桜並木に行くには、珊瑚橋を渡った先の階段かなかった」と報告してくれました。
 13日の朝、フロントの女性スタッフは、ホテルが用意している簡単な地図を示しながら、Google地図の写真をタレットで一生懸命チェックしてくれた結果、「駐車場まで行かないと、車椅子では桜並木には行けないようです」と残念がってくれました。
 さて、私たちは国内外の車椅子旅行を17年間、世に言う常識と戦いながら楽しんで来ました。結果、「車椅子で簡単に展勝地の並木に行く道」自力で見つけました。
 そのいきさつを、観光協会の小原さんへのメールから抜粋します。
 「橋を越えた時周りを見回し、桜並木の反対側を見ると、土手のようなところを人がいているのを発見。好奇心の塊の私は義姉に、「(階段の前にあった)この信号を渡ってあの人が居るところをチェックして来て」と頼みました。そして丁度その時信ちゃん(夫です)が、「おしっこがしたい」と言いました。
 去年旅をしたミュンヘンでも、街中のちょっとしたビルの間で尿瓶を使って用を足す「技術」を身に着けた私たちは、周りを見回し、義姉が渡った横断歩道を渡り、道なりに左へと歩き、適当な場所を、と思ったその時、信ちゃんがいいました。
 「あの建物、なあに?」

 近づいて行くと入り口に「展勝地北並木トイレ」と書いてあります。そこには、立派な車椅子用トイレもありました。すっきり、さっぱりして建物を出ると、偵察に行ってくれていた義姉が報告してくれました。「さっき、人が歩いていた土手を行くとその先に、桜並木に繋がるゆるやかな坂道があったわ」
 という事で、グランドを使用する時だけではなく、桜の咲く季節だけでも、あの車椅子が自由に通れる通路を地図に表示して頂ければ、これから北上の桜を楽しもうと訪れる車椅子利用者が、心から喜ぶことでしょう」
 GW中にこのメールを送ったので、まだ返信はありません。小原さんから「即」返信がくるのか「数日後」に返信が来るのか、それとも「無視される(まあ、ないとは思いますか」のか、今週いっぱいの楽しみです。
 などと書いてきたら、前編でお約束の「東横イン滞在記」を書く余裕がなくなりました。「北上旅行の番外編」として、その恩恵で実現した事などを次回、投稿したいと思います。
 これが、ネット上で私が見つけた中で、一番分かり易かった地図です。そこには「展勝地北並木トイレ」は存在していません。

 信ちゃんの、橋を渡る前の記念写真。東横インはシャトルバス乗り場の少し北辺りです。黄砂でウィンドブレーカーが膨らんでいます。

(2023年4月13日 北上川を背に)

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