車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

電動車椅子旅行最大の危機?!

 予定通り10月8日、品川から新幹線の「ひかり」で米原まで行き、米原から福井へは特急「しらさぎ」で向かいました。車窓から、何羽ものしらさぎを見ながら自分たちの乗車している特急がなぜ「しらさぎ」と言うのか。信ちゃん(夫です)と二人で大いに納得しました。
 福井駅に到着してまず有名な、駅前の恐竜に会うことにしました。

 夜は、観光案内所の若い3人の女性たちに勧められた、物産店に隣接されたレストラン

で、誰もが勧める「おろし蕎麦」と、カレイの一夜干し定食を食べました。ひょっとするとこれまで食べた「かれいの一夜干し」で、一番おいしかったかも。サイズも23cmの皿からはみ出すほどの大きさでした。

「おろし蕎麦」については、また後で。


 すでに恐竜博物館から頂いた情報に従い、事前に車椅子である事を連絡していたので、スムーズに電車とバス乗る事が出来ました。
 えちぜん鉄道の福井駅では「駅ピアノ」を見つけ、嬉しくなりました。

 NHKBSで放送している番組「駅ピアノ」、めちゃお勧めです。


 ところがな、な、な、なん・・・・と
 入館してすぐに電動車椅子のタイヤがしているのに気づきました。
 それから3時間、私はタイヤの修理をしてくれるところ探しに、振り回されました。そしてとても大事な事を学ばせてもらいました。
 問題にぶち当たったら、これまでの自己満足に過ぎない知識を振りかざすのは辞め、素直に人の助けを求めよ」


 信ちゃんをとにかく心配させたくないので、自走式の車椅子を借りて、恐竜の中に閉じ込めました。一人だと稼動域が限られてしまうので、時々、信ちゃんの所にかけつけ、後は入り口の備え付けの車椅子に座って、携帯電話と格闘しました。


 愚かにも知ったふりをして無駄に2時間以上が過ぎた顛末です。
1) 恐竜博物館近辺の自車・オートバイ修理店を検索して、電話をする。7軒ある中で、応答があったのは3軒。2番目の自転車修理店の店主には「ヤハヤの電動車椅子?聞いた事がない。知らないよそんなもの」とけんもほろろに電話を切られました。7軒すべてに電話した頃には1時間近くが経過していました。
2) ホテルに宿泊して何か相談したい時には、必ずフロントではなく、マネージャー、海外だとコンシェルジェ

に、ミュージカルの切符の手配などを頼んでいたので、福井駅近くの宿泊ホテルに電話をして、「電動車椅子のタイヤの修理が出来る店を探して下さい」とお願いしました。電動車椅子についてまったく知識のない相手の女性は、相当している様子でした。
 ここで30分ほどがまた経過しました。
3)恐竜博物館に問い合わせをする以外に、福井市の福祉課にも問い合わせをして、親切なメールを頂いていたので、連絡先の電話番号が記載されていた担当の方に電話をしました。とても親切な対応で、「出来るだけ調べて見ます」との答えにホットしましたが、途中経過としてその後30分ほどして「なかなか見つかりません」という電話が入りました。これでまた30分経過です。


4)2時間以上過ぎたこの頃になると、自分で何とか解決しようという必死さも薄らぎ、めちゃめちゃ腹が立来ました。誰かに八つ当たりしたくなり、信ちゃんのケアマネージャー:ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?役割や仕事内容を知ろう|コラム|ケアマネジャー|資格取得なら生涯学習のユーキャン にをしました。3年の付き合いのある、気心知れた相手だったので、通話は腹立ちをぶつけるだけではなくほとんど、「泣き」が入っていました。
 ケアマネは優しく「僕がなんとかしますから、落ち着いてください」と元気よく遥か東京で応えてくれました。
 ケアマネに泣きついた後、信ちゃんが何をしているのか覗きに行き、「僕一人ではあっち側に行けないから、車椅子をあっちまで押して」という信ちゃんに続けて一人で、見学して貰う事にして、入り口まで飛んで戻りました。
 やきもきしながら、ボーとしながら車椅子に座っていると、ケアマネから電話が入りました。
 「見つけましたよ!! そっちに向かって貰っています。車椅子を預かり、修理してまた、博物館まで持ってきてくれるそうです」
 ああ、神様仏様キリスト様ケアマネ様!」
 ケアマネが手配し、博物館まで飛んで来て下さったのは地元の「福祉用具専門相談員」の方でした。
 オリタ相談員は優しい語り口で、「閉館の5時までには修理が終わると思います」と言い、パンクした我らの電動車椅子を押して消えました。
 その後1時間半、信ちゃんが楽しそうに恐竜に囲まれて見学する間、私はベンチに座って、ほとんど放心状態でした。
 閉館時間の5時が少し過ぎた頃、信ちゃんと入り口に座って外を見ていると、オリタ相談員が電動車椅子を押して急いでこちらに近づいて来ます。信ちゃんと思わず「お・おー!」と声を上げました。
 厚かましくもその後、えちぜん鉄道勝山駅まで送って貰いました。
       
 福井駅では、恐竜もマスクをしていました。

(2020年10月8日 福井駅)

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