車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

車椅子旅行の贈り物: LONDONでこけました。

 車椅子旅行ので、一番大事なプレゼントは・・・
いろいろな場所で会う、いろいろな立場の方、特にボランティアの方々の好意を素直に受けとめ感謝する『心』を会得した事」(http://noripico22.muragon.com/entry/81.html)と書いて以来、「受援力」という言葉が頭の中にど~んと居座っています。
 しばらく、「受援力」様とお付き合い下さい。 


 昨日は、我らが愛するケアマネジャーhttp://carers-concier.com/ma-search/191/)の月に一回の訪問日。挨拶もそこそこに、ケアマネのちょっぴり興奮気味の話が始まりました。
 「ここに来る途中で、自動販売機の前で四苦八苦している車椅子のご老人を見かけたの」
 「ふむふむ」
 「『お手伝いしましょうか』と聞いたら、『さっさと手伝え』ですって」
 ケアマネは憤懣やるかたない風情でしたが、私は彼女の次の言葉を遮り
 「それは、あなたが悪い」と言いました。


 信ちゃん(夫)が倒れる前だったら、「、それはないわねえ」くらいの相槌を打ったでしょう。ですが、今は違います。
 車椅子旅行のでの体験が、私を変えました。


 電動車椅子(仕様と価格 - 電動車いす | ヤマハ発動機株式会社)の後ろに重いリュックを乗せ、私は信ちゃんのすぐ後ろを歩いていました。ロンドンの歩道よりも高く、スロープもやや急です100%私の不注意ですが、後輪用ストッパーを畳んだままでした。
 短いスロープの途中で、後ろが重すぎた車椅子の前が持ち上がり、は信ちゃんのになりました。信ちゃんと車椅子、それにリュックの荷物を合わせた、100キロ以上を抱え尻もちをついたのです。
 近くを歩いていた数人のロンドンっ子が走り寄り、速攻車椅子と私を起き上がらせてくれました。「Thank you!」を繰り返す私たちの方に笑顔を向けるとみな、あっと言う間に散り散りに立ち去りました。
 その間、全員が無言でした。
 彼らの無言は、でした。笑顔でした。


 ケアマネは一瞬、「あなたが悪い」という私の言葉にひるみました。
 「うまくジュースが取れなくて自分に腹を立てていて、情けないと思っている人に、に『お手伝いしましょうか?』って聞くのは相手に判断を委ねることで、それって上から目線じゃない?」
 
 その後、ケアマネに聞きかじりの「受援力」の話をしました。そしてちょっぴり偉そうに「その人には、『受援力』が足りなかったのかも・・・年老いたら可愛い方がいいよね」と言ってから「信ちゃんみたいに」と余計な事も付け加えました。
 賢い我らがケアマネは、「そんな風に考えたことがなかったけれど、考・え・て・みる」と言ってくれました。 


 実はがありました。そこで、郡山、会津若松、喜多方と福島市内の友人に会いがてら、4泊5日の「紅葉を愛でる」福島車椅子ドライブ旅行に行くことにしました。予算は7万円。詳しくは次回に。


 ロンドンの街角で。信ちゃんの車椅子の視点に、ときどきハッとさせられます。

(2010年8月)

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