車椅子旅行の理想の宿とは:2016年北海道編(1)
4度目の北海道車椅子ドライブ旅行から今週、帰宅しました。
台風7号で、大洗から苫小牧へのフェリー(船の紹介 - 商船三井フェリー)が欠航。一瞬、旅行を諦めなければならないのかと大慌てでしたが、無事、新潟から苫小牧のフェリーに乗ることが出来て、予定より1泊少ない8月17日から9月6日までの旅となりました。
信ちゃん(夫)は頑張って、大洗ー東京往復の翌日、5時間半をかけて新潟まで走りました。私はペーパードライバーなので、左半身不随の信ちゃんが全行程運転します。
新日本海フェリーについてはいつか、さんふらわあとの比較をしながら書いてみたいと思っています。
今回、おそらく北海道では初であろう「完全バリアフリーホテル」と大きく銘打った「バリアフリーホテルあすなろ」に、一泊一人2食付12,000円で宿泊しました。一泊2食付8,000円(税抜)までが目安の旅なので、最後の最後まで、あすなろがある乙部町へのルートの手前にある江差の宿「寺子屋」にしようかどうか迷いました。寺子屋(http://serve-it.jp/hotel/preview.asp?id=050311141627)でしたら、1泊2食付8,400円ですし、寺子屋はとても評判がいいので、次に機会があったら宿泊したいと思います。
あすなろは、「完全」と言い切るに値する宿だったか? 次のポイントを、一つ一つストレートにコメントします。
1) 駐車場
2) 部屋
3) 家庭風呂
4) 食事
宿の駐車場の理想は、高速道路のサービスエリアのように、入り口近くで、屋根があること。一人で車椅子旅行をしている人には、あすなろの駐車場は入り口から離れ過ぎです。それに軽い坂の下。疲れて到着して、折り畳み式車椅子を押す人には辛い距離であり勾配でした。信ちゃんは、電動車椅子に乗り、一人でとっととホテルの入り口に向かいました。
雨だったら、どうなっていたかなあ?
宿の部屋は、少しドアの開閉スピードの遅さが気になりました。その他特に問題はありませんでしたが、あの部屋着はあんまりです。信ちゃんは自前のパジャマを持ち歩いていますが、私は車から宿までの荷物を出来るだけ少なくするために、部屋着があると思われる宿では持ち込みません。
今回も、きっと部屋着があると思いました。フロントで聞くと「作務衣スタイルです」との事だったので、ちょっぴりウキウキ。ところが実物を見て、引いてしまいました。
いわゆるウォッシュ&ウェアの合成素材で、色はショキングピンクとトルコブルー。作務衣スタイルからの落ち着いたイメージとは程遠く、ぶっちゃけ「病院・老人ホーム」のお仕着せ着を思い出しました。
宿の家庭風呂。写真で紹介されている露天風呂はあくまで男女別。私には同行出来ません。家庭風呂には、てすりが1本しかありません。中央にあれば左半身不随の信ちゃんも、浴槽の中で移動して、入る時と反対側の位置からてすりにつかまり出ればいいのですが、何故そんな事にしたのか。右により過ぎているので、浴槽から上がる時に、左側に十分なスペースがなく、信ちゃんはやむを得ず後ろ向きで右手で手すりに掴まり、何とか這い上がりました。
さらに、そのてすりも浴槽の底レベルまでなく、階段途中で切れています。
私の頭もそれを見て切れました!
宿の食事は中華料理です。ホームページを見ても、どれほど食事に力を入れているかが分かります。味も悪くはありませんでした。しかし、松前・積丹半島の個人旅行をしている旅行者の何人が、都会の真ん中にあるホテルで出されるような中華料理を楽しめるか。
「食事のレベルを変えて(下げて)、料金を安くすることを考えてはいないのですか?」と聞いたところ、トンチンカンな答えが返って来ました。「10日間滞在された方には割引があります」
ということで、バリアフリーホテルあすなろの再訪は絶対にないでしょう。
そうだそうだ。あすなろの名誉のために、気に入ったこともありました。
自動販売機のドリンクが、通常130円から160円するものが100円でした。
理想の宿とは:2016年北海道編(2)では、無料の朝食と夕食が付いて共同部屋の場合は一泊3,450円。個室の場合は1,000円高くなり、一人4,450円の宿を紹介します。お楽しみに。
写真は、大好きなその宿のベランダから、日高山脈を前にカメラを構える信ちゃん。