車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、13年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

初めての車椅子旅行を考えている方へ:(6)

 初めての車椅子旅行を考えている方へ:(5)では、車椅子旅行は  が一番だと書きました。
 どうしてそのように考えるようになったのか。私の心の軌跡を、今日はお話しします。
 話がポーンと飛びますが、しばらくこのままお付き合い下さい。


 私たちには、夫婦で長くお付き合いをさせて頂いている素敵な校長先生がいます。
 「セラピードッグ(ドッグセラピー - Wikipediaの育成」を手掛けるハンドラー養成学校の校長先生です。20年以上捨て犬をセラピードッグに育てて来て、311以降は、福島の被爆地に置き去りにされた犬たちを、セラピードッグに育てています。校長先生の夢は、「1匹の捨て犬も殺処分にさせない」を実現する事です。


 校長先生に以前、聞かれたことがありました。
 「セラピードッグに不可欠な資質はただ1つ。それさえ備わっていれば、たとえ目が見えなくても、片足でもセラピードッグになれます。犬の種類も大型・小型も関係ありません。どんな資質』か分かりますか?」 


 ずいぶん前の事なので、自分がどう答えたか覚えていません。
 校長先生の答えは驚きであり・新鮮でした。校長先生はこうおっしゃったのです。
 「ゆっくり歩けるかどうかです」
 「犬は普通自分のスピードで歩きますから、付き添う相手に合せて歩くのは至難の業です。訓練してもゆっくり歩けない犬もいますし、最初から苦労せずに、付き添う相手のペースに合わせられる犬もいます」


 また話が ポーン と飛んで・・・
 信ちゃん(夫)が膝下までのギブスのような足の装具を付け、杖を持ってなんとか歩き始めた時、私が一番苦労したのは
1)身の回りの世話でも、
2)車椅子を押すことでも、
3)軽い人格障害がまだ残っていたので怒りにまかせて杖で叩かれることでもなく、
4)信ちゃんのゆっくりを通り越してほとんど前に進まない歩行に付き合うでした。


 その時です。校長先生の言葉を思い出しました。「ゆっくり歩けるかどうかです」


 「ゆっくり歩く事」は、言葉通りの「ゆっくり歩く」だけではなく「自分のペース・考え・感じ方など」を脇に置いて、信ちゃんに合わせることです。
 最初の頃は、せっかく遠くまで高いお金を出して旅行をしているのに、「1日1か所」しか旅先の施設を訪問しない事に「腹を立てて」いました。最近は、1,2か所訪問するようになりましたが、あの頃は「1か所」からの情報・刺激だけできっと
 「信ちゃんの頭の中は一杯だった」のだと思います。


 車椅子旅行で、私が一番心がけていること・・・それは


1)信ちゃんの気持ちになって 何を一番したいかを考え
2)同じペースで食事を味わい
3)季節の肌寒さ暑さを感じる事などなど
です。もちろんそんなこと、完璧には出来ません。相変わらず年がら年中、「もったいない・もったいない」と心の中で思っています。
1)せっかく遠出をしたのに、
2)せっかく美味しいものが目の前にあるのに、
3)せっかくこんなに風が爽やかに吹いているのに・・・。
 「僕、そこ見なくて良いよ。僕、もうお腹一杯。僕、車の中で待っているよ」


 今、「ゆっくり歩く」だけは何とか、身に付けられたのではと思えるようになりました。「ゆっくり歩けさえ」すれば、信ちゃんとの最高の体験を今回の北海道車椅子ドライブ旅行でもシェア出来るでしょう。


 昔から写真を撮るのが大好きな信ちゃんでしたが、倒れてからは、自然動物を撮ることが多くなりました。
 利尻島のフェリー乗り場で。(2014年8月下旬)