車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、13年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

家族との車椅子旅行(2)

 (1)で愛車の「のりたま」号と一緒に初めて、みなさんの前に登場した私たちですが、今後ともよろしくお願いします。


 今日は、おばあちゃん孝行の友人からの相談から端を発したお話を。


 私がブログ「車椅子旅行は楽しい!」をまだ書き始めるずっと以前、信ちゃん(夫)と車椅子旅行を少しずつ楽しみ始めていることを知った友人から、「困っている事があるの」と相談されました。
 「祖母の大事な思い出のある箱根の老舗旅館に、両親と共に私がスポンサーになって親子三代の一泊旅行を計画したのだけれど・・・いくつかのハードルを越えないと実現は無理だと分かったのよ」
(1) その宿はいわゆる超が付くほどの有名老舗旅館。ウェブサイトにもはっきりとバリアフリーではないと書かれています。


 もちろん検索すれば、このようなサイトがあるので、単に「三世代での旅行」なら宿はいろいろ見つかります。


(2) 足腰が弱っているから車椅子に乗れと言うけれど、おばあちゃんはみっともないから「嫌だ」の一点張り。それでもなんとか車椅子に乗ることは承知させたけれど、
(3) 車椅子ごと担がれて階段を上るなど、「死んでも嫌だ」と主張。


 その気持ち分かります。信ちゃんも自由が丘駅にまだエレベーターが設置される以前、駅員さんが「車椅子ごと運ばせて頂きます」と若い駅員さん2人、中年の駅員さんが2人車椅子を持ち上げに駆けつけたのですが、担いでもらうかどうか迷っていた信ちゃんは彼らを見たその瞬間「嫌だ。手すりにつかまりよじ登る」と叫びました。拒否した理由を後で聞くと、「頼りなさそうなのだもの」とのたまわれました。


 さあて、友人のおばあちゃんに超有名な老舗旅館に宿泊して貰うにはどうしましょう?


 その時、日比谷の有名なビルでの経験を思い出しました。地下に行って見たいレストランがあったのですが、地下へはエスカレーターしかないので、表向き、車椅子では地下に行けません。
 そんなバカな!  と、すぐにひらめきました。そして・・・
 入り口に立っていた警備員さんに聞きました。
「従業員用のエレベーターはどこですか?」
 警備員さんはまず、通り一遍の答えをします。
「お客様にはお使いいただけない事になっています」
「あらそう?」
 ここでひるんではいけません。
「絶対ダメ、ではないですよね?」
 結局、トイレの脇のドアを入ると、正直、お世辞にもきれいとは言えない従業員用のエレベーターがあり、地下に降りて、目的のレストランで美味しい韓国料理を食べました。
 その後2度、そのエレベーターを(勝手知ったる他人の家のように、黙って)使わせて貰い、おいしいケイジャン料理も食べることが出来ました。


 「従業員用のエレベーターはありますか? と尋ねてみれば、どう?最初はいろいろ訳の分からない理由を聞かされるかも知れないけれど、強硬に、おばあちゃんの思いを伝えれば分かって貰えるよ」


 それから1週間後、
 「従業員用のエレベーターを使わせて貰える事になったわ」と報告があり、
 さらにその1週間後、
 「祖母から、あなたによろしくって!」


 めでたしめでたし。


 実は私たちには仕事柄、公に伝えられる・定められていることをそのまま鵜呑みにしない習性が身についています。
 車椅子旅行では、
 公に伝えられることをそのまま鵜呑みにすることは止める
 スタートはそこからです。もちろん、守るべきと納得できるルールはしっかり守っています。


 のりたま号を乗せた大洗から苫小牧までのフェリーの窓から。もうすぐ出発です。いつも、自分たちの名前を付けた2匹の羊人形を連れて旅をしています。(2014年8月下旬)