ちょっと寄り道(1)
上の写真は2024年6月末現在、信ちゃん(夫です)の右足用の靴です。
左半身不随の一級障害者の信ちゃんの靴の「減り」は当然、左右同じではありません。左足用よりも力が入る右足用の方がより痛みが早いので、このように黒のガムテを信ちゃんは自分で貼って応急処置をして、出来るだけ長く履くようにと、努力を続けてくれています。
信ちゃんは最近、お気に入りの秋・冬・春の靴を新調しました。
左半身不随の信ちゃんは当然、左に装具を付けるので、靴の左右のサイズは異なります。
左足は28センチ。右足は25.5センチまたは26センチ。このように「異なる」のはサイズだけではなく靴の場合、その耐久年数も異なります。初回は左右(サイズは異なるが)同時に購入してもしばらく経つと、左半身不随の信ちゃんの靴は「右足」だけが酷使されます。
ということで今回も左足はまだまだ十分使えるのですが、右足だけを新調する事になりました。右足の新調回数は、左足の倍近くになります。今回新調したのはもちろん、右足用だけです。
10年前には「左右異なる大きさを購入できる靴」に、これほどの選択肢はありませんでした。「10年ひと昔」とはよく言ったものです。
さて、10年前に「国際福祉機器展」に行き、信ちゃんが「ボーとしなくなった」後に履く靴を見て回りました。
そこで気づきました。
「外出用」の靴と言ってもメーカーは、障がい者が大雨の中を歩く必要があるとは基本、考えていない、と。
がっかりしました。それでも、月星の靴が一番気に入ったので「靴底をビブラムにして」とは言わないまでも、滑りにくいように、靴底の溝を今よりも深くして欲しいと月星(ムーンスターではありません)にメールを送りました。
「お客様のご提案を、会議にかけます」との返信がありましたが、メールをしたことはすぐ忘れてしまいました。それから1年ほど経ったある日、ネットでいつも何か面白い・楽しい・新しい介護用品はないかとブラウジングをしている信ちゃんが、上の写真の靴の初期バージョンを見つけ、即購入しました。
以上は、今年の6月に書き始めたまま、途中で止めてしまった投稿の下書きです。
月星からムーンスターに社名を変えた靴会社が、靴底を「ビブラムもどき」にした靴を発売するようになったのは、「信ちゃんの提案があったから」だと勝手に自分たちの「手柄」だと思っている、私たちは今日も幸せなノー天気夫婦です。
(2017年春 スエーデン・ゴットランド島・ビスビューからやって来ました)

