東北の縄文遺跡・車椅子ドライブ旅行のみっけもの(2)
福島市内「じょーもぴあ宮畑」の縄文遺跡の屋外展示物には、車椅子昇降機がある。
それは、正直、素直な驚きでした。喜びでもありました。というのも・・・
どれほどの公共施設に出かけても、車椅子生活者への配慮があるような、ないような。上野の東京国立博物館:
のように、完全なバリアフリーを誇る日本最大の博物館でも、車椅子の見学者への細やかな配慮は期待できません。
今回の旅を前に8月中旬、トーハクの特別展「縄文」に出かけた時の事。特別に暑い日が続いていた事もあったでしょうが信ちゃん(夫です)は建物に入ったとたん、気分が悪くなりました。冷房が、これでもかというほどに効いていたのです。私が事前に気付いて上着を着てもらってから入場すべきだったのでしょう。
鳴門の渦潮見学では入り口で、「車椅子の方は足元が寒いので、これをどうぞ」と、毛布を渡されました。
まあ、ぶーたれるのはその辺にして、福島の「じょーもぴあ宮畑」遺跡の優しさに今一度感謝しましょう。
相変わらず、私の投稿はどうしても前置きが長い。すみません。
今回の旅で改めて、私たちは車椅子に優しい個性的な宿が好きなんだ。優等生向きの「かんぽの宿」はやっぱり苦手、ということを思い知りました。
今回の宿のみっけものは2つ。
一つ目は、男鹿半島から伊勢堂岱遺跡
を見学し、青森へと向かうルート上にある宿を、グーグル地図で探していて見つけた場所です。
ところで伊勢堂岱遺跡縄文館の素敵なみっけものは土偶でした。土偶には番号が付けられ、壁に番号が書かれた黒板(緑色)がありました。毎日の来場者に好きな土偶の番号に小さな赤い丸のステッカーを貼って貰い、土偶コンテストをしていたのです。信ちゃんと私。それぞれ異なる土偶に投票しましたが、それらが前日の1位と2位でした。ちょっと、嬉しかったです。
弘前市もルートからわずか外れただけなので、弘前市内の宿をとも考えたのですが、地図で最短距離を追って行くと・・・見つけちゃいました。
からんころん温泉:からんころん温泉
即、名前が気に入りました。サイトを見ると、こんな家族風呂があります。入りたいとは思いませんでしたが、その遊び心が気に入りました。
2食付税込みで8,000円。宿泊者専用の階段のある入り口は別にありますが、入浴客用正面入り口から入れば、車椅子でスムーズに部屋まで行けます。部屋の窓をあけると、岩木山が目の前。後ろは八甲田山。八甲田山から朝日が昇り、岩木山に日が沈む、畑の中にポツンと作られた施設です。近くには、青森県ではよく知られた、最近人気の高い「田んぼアート」
がありました。宿泊施設は禁煙でした。信ちゃんも私も年齢を重ねる毎に、煙草の臭いに敏感になるようなので、重要なポイントです。
食事どころは三箇所。本館にあり、私たちが朝夕食事をさせてもらった食事処たぬき、
団体客用の別棟にある休憩・食事処あかしあ、そして
夏には外で焼肉やBBQが楽しめる焼肉ガーデンもあります。
からんころん温泉は温泉と共に食事も楽しむ地元の方々の憩いの場所。手作り感にあふれる、美味しい食事が楽しめます。信ちゃんも私も初めて「数の子とモロヘイヤ和え」を食べ、お気に入りになりました。
もう一つの宿が十和田湖の民宿「和み」:湖畔の宿 民宿 和み(十和田湖畔)です。
ここはじゃらんで見つけました。どのサイトの口コミを見ても、5に近い高得点。バリアフリーと謳っては居ませんが、写真を見る限り左側の入り口がスロープになっています。
早速、問い合わせの電話をしました。
「ベッドの部屋は一階にありますか」
「はい、全館平屋ですから」
すべての部屋から十和田湖が見えるお宿の値段は2食付税込み6,800円でした。
トイレも手洗い場所も室内にはありませんが、廊下のすぐ前。納得して事前に心構えがあれば、何も問題はありません。オウナーの女性の心配りは素晴らしく、食事内容はコストパフォーマンスの高い、そして何よりもおいしかったです。
「このヒメマス、湖の魚なのに臭みがないですね」
「十和田湖は規制が厳しく、プランクトンだけを食べているので生臭さがないのです」
別料金200円のドリンク・メニューに、ホットりんごジュースがありました。おいしくて、朝夕、一杯を信ちゃんと分け合いました。東京に戻っても冬が近づいたらホットを飲もうと、りんごジュースの大きなビンを買い込みました。
出発の朝、かなり強い雨が降っていました。オウナーの兄上にお願いして、車を入り口に横付けして貰いました。信ちゃんはほとんど濡れることなく、運転席に乗り込みました。前日は雨がなんとか持ってくれたので、十和田湖畔を夕食前に散歩しました。穏やかな時間でした。
別れの時、あまり「また来ます」とは言わない信ちゃんですが、優しいオウナー兄妹と素晴らしい宿に、信ちゃんは元気よく「また来ます。よろしく」と言って出発しました。2食付税込み6,800円。値段がすべてではありませんが、倍近い価格の「かんぽの宿」では従業員の人と話す程度で、客同士の会話は期待できません。
「和み」では4人も入れば一杯のお風呂で出会った、宮里藍ちゃん似の、沖縄本島出身だという若い女性と楽しく話が出来ました。石垣島の友人に似ていると言うと、「ここのオーナーにも、私の知っている沖縄の友達と似ていると言われました」と笑顔が返って来ました。
朝食を私たちよりも先に終えた藍ちゃん似の彼女は、信ちゃんに会釈をし、私に手を振りながら席を立ちました。
車椅子ドライブの旅の宿の出会いは、こうでなくちゃ。
世界で唯一つのストックホルムの港に浮かぶ帆船ユースホステル。遠い昔、私が20代の頃に宿泊した事があり、信ちゃんとどうしても今一度一緒に宿泊したくて問い合わせたところ、エレベーターがあり、車椅子OKとの返事を貰い3泊しました。
(2017年5月 ストックホルム・シェップスホルメン島)





