チアリーダーを探そう!
チアリーダーなどと書くとなんだかややっこしいですが、言い換えれば、
頭の中から消えない 味・映像・音・人・事象・言葉などはどれも、自分の人生のチアリーダーだと思っています。それらの味・映像・音・人・事象・言葉などが、日常からおいで・おいで・出ておいでと、誘います。
ただし、マイナス方向を向いている味・映像・音・人・事象・言葉はチアリーダーではありません。チアリーダーはいつでも、どこでも刺激的で、前向きで元気をくれます。
最近の私の例でいうと、
私のチアリーダーは
れ・ん・こ・ん です。
秋になると学生時代の貧乏旅行先・金沢で食べた蓮根の煮物を思い出します。酢バス、てんぷら、きんぴら、はさみ揚げ、筑前煮。蓮根の料理法はあまたありますが、金沢で食べた蓮根は、白無地の焼き魚を乗せるような皿に1・5センチほどの厚さのおおきな蓮根が、ひとつ盛られていました。椿の葉のような、厚地の葉っぱが1枚下に敷いてありました。
半世紀近くも前の事なのに、おどろくほど鮮明に覚えています。
最近は蓮根が高くて、我が家の食卓に乗る事は稀です。ですが、アルバイトの給金を貯めての秋のプチ旅行。今年は蓮根を目指そうと9月早々に決めました。以前、「深谷のネギ」が食べたくて兄夫婦と出掛けた深谷へのプチ旅行
思いがけない展開になりました。今回もきっと、蓮根以外に、得る事があるに違いない。
そう確信したのですが・・・
信ちゃん(夫です)は最初、まったく乗って来ませんでした。「僕、別に蓮根、特に好きじゃない。筑前煮に入っていなくても構わない」と可愛くない反応です。
私は一人で、どこに蓮根を食べに行くかいろいろチェック。その結果、
やはり日本一の蓮根の産地茨城でしょう。毎年蓮根フェスタを開催している県ですとの結論に達しました。
その中でも、土浦市の生産高が日本一と知り、
土浦に一泊する事にしました。このホテルに決めたのは、車椅子用駐車場があるのと料金がリーズナブルなの、で即決です。霞ヶ浦も一望出来ます。
宿泊場所を土浦と決めた時点で、信ちゃんのプチ旅行への風向きが変化しました。いわく「土浦って、牛久の先だよね。牛久沼は、天然鰻で有名なんだよ」
なに・なに・・・
「本当だ。土浦から都心まで走る6号線の、牛久沼の東は『うなぎ街道』と言われてる」
以後信ちゃんの頭の中は、蓮根の事は消えて、私の「土浦行き=鰻」なったようでした。
そんな時、NHKで蓮根特集をやりました。
「れんこん三兄弟」の話はとても面白く、信ちゃんの蓮根への対応が、変わりました。
蓮根も鰻に続いて、信ちゃんのチアリーダーになった瞬間です。
最初乗り気ではかなった信ちゃんは、俄然、土浦に行く気になりました。
11月5・6日で土浦・れんこん・霞ヶ浦・牛久・鰻・一泊プチ旅行を楽しんで来ました。
旅をする時には必ず観光協会などに問い合わせをします。初めて車椅子での遠出旅行は北海道でした。
土浦に行く途中、どこでお昼を食べようとチェックをしていて、竜ケ崎市を見つけました。話題の稀勢の里関の故郷です。稀勢の里関はどんな所で育ったのだろう。どれどれ、とネットブラウジングをしていて、こんなページを見つけました。
第一日曜日、私たちが行く11月5日には「まいんバザール」という小さな市を開いているようなので、そこでお昼を食べる事にしました。そして 1)バザールに行くにはどこに駐車すればよいか、2)リーズナブルな車椅子が入店可能な鰻のお店の問いあわせをしました。観光課の池田さんから、丁重な返信を頂きました。
11月6日、池田さんの紹介して下さった鰻屋桑名屋さんに行きました。特上のうな重が2,800円で、いつもは「松竹梅」とあれば「竹」が決まりの我が家でしたが、「心置きなく特上が注文出来た」と信ちゃんは大喜びでした。お味もグッド!
会計の時、「竜ケ崎の商工会の方に勧められて」と話をすると、「そういえば商工会の方から、車椅子は入れますかと、問い合わせの電話を頂きました」とおかみさん。池田さんはわざわざ電話で、私たちのために事前に問い合わせをして下さっていたのです。
竜ケ崎市商工会観光課の池田さんもまた、表には登場されなかったけれど、信ちゃんの大事なチアリーダーだったのだと思いました。感謝です。
竜ケ崎市から霞ヶ浦を反時計回りにドライブをして、夕方に土浦市に着いた時、一面に蓮根畑が目の前に広がりました。車窓から。
(2017年5月6日 土浦市)
