車椅子旅行は楽しい!

パッケージ旅行とは違う、「個人でプランを立て」「自由な発想の」「安上がりな」「車椅子旅行のススメ」
「車を運転している時は、自分が左半身不随であることを忘れられる」と言う、17年前に脳出血で倒れ車椅子生活者となった夫との車椅子旅行は、幸せの宝庫です。

チアリーダーの効用

 今日は、私の思い出にまずお付き合い下さい。


 20代の後半から10年ほど家族のように時を共にした仕事上の先輩が、長い闘病生活を経て亡くなられました。台風の中、初めてのに参加しました。焼香の後、僧侶の経はなく、棺の前に立つマイクを前に、親しい人たちの思い出話が続きました。どれも私の思い出の中の先輩の姿そのものでした。
 司会者が「男ばかりの思い出話だったので最後に、女性に語って貰いましょう」と、突然私に話を振りました。みなさんの話を聞きながらいろいろ先輩の事を思い出していたので、さほど詰まらず話が出来たと思います。最後に、こんな先輩とのエピソードを聞いて貰いました。
 「私を一言で表現したら何ですか?」とある日何気に尋ねたら
 「わが、だね」と即答され
 「・・・・」どう反応して良いか戸惑っていると、
 「わがままは良い事だよ。自分に誠実だという事だからね。納得行かない事があったら、徹底的に相手と議論する。そのために人は勉強するんだよ」


 「わがまはよい事」私をいつも勇気づけてくれた言葉です。


 信ちゃん(夫です)が2005年1月15日に脳出血で倒れた時、私は徹底的にわがままを通しました。倒れて搬送された病院の担当医に、「は自分が勧める(石和温泉の)リハビリ病院宛てにしか書かない」と言われ激怒。兄に頼んで当の石和温泉の病院を雪の降る中(1月末頃)見に行き、こんなところに信ちゃんが入院したら都内に住むの生活はすると即断しました。


 それからは、自宅から通えるリハビリ病院をすべてリストアップ。大好きなネット・ブラウジングでそれぞれの病院のコミログの評判をチェックして、3か所に絞りました。再び兄を引っ張り出して3か所の病院を訪問し、一つ目は、駐車料金が患者に対しても1時間500円課徴する病院の根性が嫌いで却下。二つ目は確かに至り尽くせりな環境ながら、入院費があまりに高くて却下です。
 三つ目の病院にを書いて貰えないのは分かっていたので「どうしよう」とお・た・お・た、バタバタもしましたが、高校の同級生の脳神経外科医に尋ねたら、「推薦状を貰い、中身を封筒に入れて持って行けば大丈夫」と言われました。
 「医者と弁護士の友人は一生大事に」は本当でした。


 そうした中、信ちゃんが倒れてからリハビリ病院に落ち着くまでで一番学んだ事。それは、1にも2にも、どのような状況であろうと自分が一番望んでいる事を突き詰める、でした。突き詰めた結果を追いかければ、ます。


 信ちゃんが倒れた現実を前に、私が一番望んだ事。それは、
 信ちゃんの顔を毎日見る。その一点でした。
 信ちゃんがリハビリ病院に入院中、仕事を続けながら皆勤賞だった事、ちょっと自慢です。


 本題の、リーダーの話に戻ります。


 チリーダーは、人である必要はありません。人と自分を比較して落ち込んだり、判断を誤ったり、判断に迷ったり。生活をする中で光明となってくれる言葉もまたリーダーだと思います。


 「わがまはよい事」と20代で私を受け入れてくれた先輩の言葉は、私のリーダーあり続けてくれました。


 「旅に出かけたいけれど今一歩踏み出せない」と言いながらも、実のところは信ちゃんと同じように「特に外出したいとか、どこそこで外食をしたいとか、どこかに旅に出たいとは思っていない。家でのんびり出来れば幸せな車椅子の方」

 今一度、
 自分が一番望んでいる事は何かを突き詰めてみませんか。
 忘れられない情景を思い出し、その中に自分を置いた映像をイメージしてはどうでしょう。
 作業です。

 電車の中の憧れの人、中学時代の通学路、時折何気に口ずさむヒット曲、お気に入りだった服、入った事はないが気になったカフェ、初めてのデート、初めての一人旅、「早く寝なさい」と言われながら聞いたラジオ番組・・・
 
 自分だけのリーダー探しの第一歩だと思います。(続く)
 
 飛行機・バス・鉄道を乗り継いでの、四泊5日の楽しい初北海道車椅子旅行でした。

(2007年9月 中富良野 ファーム富田 http://www.farm-tomita.co.jp/

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