ManchesterとSwedenの楽しい車椅子旅行(6)
Manchesterで出会ったFreeWheelについて話す前に
Manchesterでの楽しかった観光名所についてのご報告。
いつの頃からか、海外の訪問先でGRAND HOTELという名のホテルを見つけると必ずそこでお茶をして来ました。さほど高くなかったミュンヘン駅前のGRAND HOTELでは、宿泊もしました。車椅子になってからは、グランドホテルでトイレを借りるのが定例となり、楽しみとなりました。どこのGRAND HOTELも車椅子旅行者に優しく、「どうぞどうぞ」と気持ちよくトイレに案内してくれます。
そんな中で、サンクトペテルスブルグのGRAND HOTEL
はちょー!!!ハイグレードHOTELだったのでとにかくホテルの中の見学がてら、トイレを使わせて貰う事にしました。写真がないのが残念ですが、8畳ほどの見事な車椅子用トイレがありました。女帝エスカテリーナ二世
が後年車椅子だったので、特別に設えたそうです。
ホテル中央は恐ろしいほど高い天井のカフェ・スペースで、これまたちょー!!!ハイグレードな「アフタヌーン・ティー」
を見つけた信ちゃん(夫です)。「ここでお茶しようよ!」と連呼。まあ「一生に一度だ」(現場ではそう自分に言いきかせ、帰国後のクレジットカードの請求額を見て毎回毎回猛省している私)と、一人分を注文。二人で仲良く分け合いました。
以後、「アフタヌーン・ティー」に味を占めた信ちゃん。旅の準備をしていると、「アフタヌーン・ティーがあるところ見つけてね」とリクエストが入るようになりました。去年、NZのクイーンズタウンでは、町一番の老舗のホテル: Eichardt's Bar で湖を見ながら、「アフタヌーン・ティー」を味わいました。
そして今回。「アフタヌーン・ティー」はイギリスの伝統です。Manchesterにも必ずや名の知られたホテルにあるはずだと、旅行サイトで Manchester Afternoon Teaで調べたら、ある、ある。Afternoon Tea in Manchester: このサイトは都市を選ぶと、そこの有名店のリストが出て来る、アフタヌーン・ティー専門のページで、ありがたいのは、値段が表示されているところです。日本は税抜で4,000円以下はほぼない。高いですから。
そんな中で、興味深いカフェがありました。
ホテルや町中のカフェではなく観光名所の一つ、市庁舎の中にあるカフェです。勿論、行くことにしました。マンチェスターの友人と3人で。
これで二人分です。三人で分けました。
友人がFBで私たちのアフタヌーン・ティー体験を報告したところ、「Manchesterに長く暮らすみんなも知らなかったみたい。市庁舎にこんなカフェがあることを。観光客のあなたたちだから見つけられたのね。これまでで一番多い数の『いいね!』リアクションを貰ったわ」との事でした。
Manchesterを訪れる観光客の誰もが訪れる科学産業博物館とジョンライランズ図書館。ちょっぴり鉄ちゃんの信ちゃん。科学産業博物館を最初の観光場所に選びました。
世界の鉄道は、ご存じのように歌にもあるように、ManchesterとLiverpool間が最初で、日本が何故左側通行かと言えば、イギリスから鉄道技術を学んだからですよね。
マンチェスターとリヴァプールMANCHESTER & RIVERPOOL/Pinky & Fellas
博物館から、世界最初の鉄道駅までの約800メートルを、かわいい蒸気機関車が走っていました。
耳よりメモ: 初期の列車の客車には屋根がなく、馬車の荷台のようだったそうです。
次に、ジョンライランズ図書館へと向かいました。
どこの図書館でも、その静寂さに心惹かれますが、ジョンライランズ図書館は特にその生い立ちと場所の選択の歴史が興味深く、資料を読みながらゆっくりと見て回りました。
出会いは、タ・イ・ミ・ン・グです。一分前でも、一分後でも出会う事はなかったでしょう。
「さあ、か~えろ」と出口への廊下に出た、出会いがしらでした。
バイオリンを車椅子の背に乗せたきれいなお姉さんにぶつかりそうになりました。
ぶつかりそうになった彼女の車椅子の前に、見た事のない車輪が取り付けられていたのです。
私がまず、声をかけました。
「こんにちわ」
「バイオリンを弾かれるのですか」
頷く彼女に、後ろから付いてきた友人の、これまたきれいなお姉さんが答えました。
「She is a very good violin player(彼女はとてもバイオリンが上手なのよ)」
信ちゃんは二人もきれいなお姉さんがいるのに、二人には目もくれずじっと車椅子の先を見ています。
やっと口を開きました。
「What is this(これなあに)?」
「This is FreeWheel」
車椅子から大きく身を乗り出して、信ちゃんはFreeWheelに触れ、じっと観察しています。
お姉さんはいろいろ説明してくれましたが、私にはよく分かりませんでした。信ちゃんは説明を聞くよりも、自分の目に焼き付けようと、無言のまま観察を続けました。
図書館を出てすぐに信ちゃんが言いました。
「帰ったら、FreeWheelを調べてね」
「は~い。楽しみが出来たね」
「うん」
FreeWheelの話はじっくりしたいので、詳しくは次の投稿で書きます。
その前に、FreeWheelがどのようなものかを見て下さい。
ストックホルムでもグランドホテルを見つけたので、トイレを借りに行きましたが、実にシンプルな作りでした。というか、スエーデンではほぼ、このタイプ。
下に降ろすレバーのパイプが細くて不安定なように見えますが、しっかりしていて、不安はなかったとは信ちゃんのコメントです。左右使用自在なのもありがたいです。イケアの国の機能性に拍手。
(2017年5月 ストックホルム)


